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どうやって赤ちゃんの大きさを知るの?

赤ちゃんの大きさはどうやって予測するの?

「赤ちゃんは順調に育っているかしら?」妊娠中の気がかりはなんといっても赤ちゃんの発育ぶりです。手がかりとなるのは赤ちゃんの体重がいまどれくらいかという「推定体重」です。かつては、おなかの赤ちゃんの大きさを正確に推定することは難しかったのですが、今では超音波検査のデータを使って推定体重を測定することが可能です。赤ちゃんの頭の横幅(児頭大横径)、おへそから背中までの腹部横径、脚のつけ根からひざまでの骨の長さ(大腿骨長)をはかり、それらのデータから推定体重を算出します。推定体重が妊娠週数と比例して増えていれば、おなかの赤ちゃんは順調に育っていると考えてよいでしょう。標準値を大きく上回ったり、かなり下回ったりする場合には、なんらかのトラブルが考えられることもありますが、多少の差ならまず心配はいりません。特に妊娠後期に入ってからは、300gくらいの誤差が生じることもありますので、その範囲に入っているならあまり神経質になる必要はありません。

頭殿長や胎嚢の計測で妊娠週数や予定日を推定

妊娠週数は、最終月経の初日から計算するやり方が一般的ですが月経周期の不規則な人は、正確な妊娠週数がわからない場合があります。妊娠週数を正確に知る方法として、妊娠初期(4週~16週ころ)の超音波検査で赤ちゃんの「胎嚢」(胎児が入っている袋)や「頭殿長」(胎児の頭からおしりまでの長さ)、「児頭大横径」をはかり、それらの数値を使って妊娠週数を算出します。おなかの赤ちゃんの発育の個体差が少ない妊娠初期には、赤ちゃんの大きさを問題にするよりも、より正確な妊娠週数を決定し、それをもとに正確な出産予定日を知ることの方が大事だからです。

超音波検査で使用する推定体重の測定部位

A 児頭大横径

赤ちゃんの頭の最も大きい位置の横幅。成熟児で約9cm。

B 腹部横径

胴体の最も太い部分の横幅。赤ちゃんの向きによって差がある。

C 大腿骨長

脚のつけ根からひざまでの長さ。

D 頭殿長

頭からおしりまでの長さ。妊娠8~12週まではほとんど個人差がないため、正確な妊娠週数の把握ができる。

お母さんの体とどんな関係があるの?

子宮底長や腹囲から何が分かるの?

いまのように超音波検査が普及する前は、お母さんの子宮底長(恥骨の上から子宮底までの長さ)と腹囲から胎児の発育や羊水の量を推定していました。子宮底長は1ヶ月に3cm程度ずつ大きくなっていきます。36cm以上あるとかなり大きな赤ちゃんを想定しますが、測定する人や妊婦さんの状態で多少数値が前後することもあります。腹囲は脂肪のつき方に影響を受けるので、赤ちゃんの大きさをはかる目安にはなりにくいためです。

妊娠中のお母さんの体重と赤ちゃんとの関係

妊娠中の体重増加は10kg未満、できれば8kgまでに抑えるのが理想的です。赤ちゃん自身の体重が約3kg、胎盤と羊水で1kg、それに子宮や乳房(乳腺)の発育分が約1kg、血液量が1.5リットル(1.5kg)さらに細胞内の水分の増加分約1リットル(1kg)を合計して7.5kgくらいになるというわけです。そのため、月に2キロ以上の体重増加は要注意です。大きい赤ちゃんと小さい赤ちゃんで差はあるものの、その差は1~1.5kg程度です。これ以上の増加は、お母さんが産後の授乳などに備えて体が蓄える脂肪の重さと考えられます。体重が増えすぎると、妊娠中毒症や糖尿病などのトラブルの引き金になったり、産道についた脂肪でお産が長引くこともあります。

お母さんの体重の増え方で気をつけたいこと

お母さんの体重に増え方と赤ちゃんの体重は比例しません。急激な体重増加はトラブルのもとです。妊娠中毒症になると、赤ちゃんに酸素や栄養を送る胎盤の機能が低下し、胎児の発育が妨げられます。さらに常位胎盤早期剥離や出産時の血圧の上昇など大きなトラブルを生じることもあります。太りすぎのお母さんは、そうでないお母さんの3倍以上も妊娠中毒症の可能性があるといわれています。赤ちゃんのためにも体重管理は気をつけましょう。

「大きい」「小さい」の気にしすぎは、かえってストレスに

おなかの赤ちゃんの発育は、実際に目に見えるわけではないので、「ほんとうに大きくなっているのかな?」などとあれこれ心配してしまいますね。「大きい」「小さい」というのはほとんどは医師が赤ちゃんの体重の個人差を主観的な印象でとらえて表現しているにすぎません。命にかかわるような事態ならば医師はすぐにお話します。

したがってあまり大きさばかりに神経質にならずに、ゆったりした気持ちで妊娠生活を楽しむようにしましょう。

赤ちゃんの成長 悩み解決Q&A

Q. 胎児の大きさが標準より1週間ほど小さいと言われました。

A. 標準より1週間小さいというのは全く問題ない正常の範囲内です。

赤ちゃんの成長ぶりを知る目安として標準値がありますが、その値を中心にプラスマイナス上下に幅をもたせた範囲があり、その中にあるのなら正常なのですから全く心配はいりません。また、妊娠末期になれば胎児の個人差も大きくなります。正常なお産でも赤ちゃんの体重は260~3700kgと約1kgもの差があるのです。この範囲の中で医師は「大きい」「小さい」と言っている、ということを覚えておいてください。大きすぎる場合は糖尿病、小さすぎる場合は胎盤機能不全、妊娠中毒症などの可能性があげられますが、医師か特に検査をしないのであれば病的ではないということです。

Q. 妊娠後期で3週分も赤ちゃんが大きいと言われた。

A. 妊娠末期は胎児の大きさには個人差が出てきます。

ですからこの赤ちゃんは正常の範囲で大きめ、ということですので、医師から何も言われない限り大丈夫です。また、赤ちゃんが大きいからといって必ずしも難産になるとは限りません。それよりも気になるのはお母さんの体重です。体重が増えすぎていたりすると、今後さらに赤ちゃんが大きくなる可能性があります。体重管理をしっかりすることで赤ちゃんの体重も小さく抑えることができます。

Q. 妊娠中期で2週間分くらい赤ちゃんの頭が小さい。血圧も高めです。

A. 赤ちゃんの正常範囲から考えると妊娠中期で2週間というのはぎりぎり正常範囲といったところです。

妊娠中期では3週間違うと異常がないかを検討する段階になります。ほかの体の部位は週数に応じた大きさならば、体形的にやや頭が小さめということではないかと思います。ただ、ちょっと心配なのは妊娠中毒症や糖尿病などの病気が隠れていて、赤ちゃんの発育が悪い場合です。血圧が高めな場合には、妊娠中毒症の可能性もあります。塩分を控えめにしてカロリーのとりすぎに気をつけて下さい。

Q. 私は小柄なのですが、頭が大きい子だと帝王切開になりますか?

A. 一般論からいえば、身長150cm以下の妊婦さんの場合帝王切開の比率は上がるといわれています。

しかし、よくできたもので小柄な人から生まれる赤ちゃんは2800g台の後半で生まれることが多いのです。また身長とは関係なく骨盤の大きい女性もいます。ですから先のことはあまり心配せず、いまは太らないように食事に気を配り、体重管理をしっかりしてください。おなかの赤ちゃんの体重はそうすることでしかコントロールできないのですから。

Q. 月経周期が28~32日とずれがあるのですが、出産予定日はどのように計算するのでしょうか。

A. 出産予定日は、最終月経の始まる初日を0週0日として、そこから万280日目になります。

その程度のずれの場合には、28日を基本に考えます。ただし、正確な出産予定日は超音波検査によって算出します。妊娠初期に、赤ちゃんの頭からおしりまでの長さを超音波検査で測って、その数値を基準として出産予定日が修正されることがあります。

Q. 赤ちゃんの大きさで週数を訂正されました。

A. 初期のころはよくあることです。

妊娠週数は、最終月経を基準に計算されるのですが、きちんと月経がきていた人でもそのときに限って1週間排卵日がずれ込むこともありますし、不順な人であればさらにずれる可能性が高くなります。すると9週であっても実際は8週の大きさしかないことも起こるのです。初期の超音波検査ではそのあたりの誤差を正確に知ることができます。週数を訂正し、正確な出産予定日を計算して直すわけです。これを「修正予定日」といいますが、長い妊娠期間ですから誤差の少ない初期のうちに修正しておくことはとても大切なことです。

Q. 1ヶ月に3kgも体重が増えました。赤ちゃんも大きめといわれています。

A. 太りすぎは妊娠中毒症や合併症、または難産などの出生時のトラブルも引き起こしやすいことがわかっています。

体重増加は「月に2kg以下、合計8kg以下」を目標に努力してください。

日常生活と妊娠

Q. サイクリングを計画中です。自転車くらい、普段も乗っていたし、妊娠中だからって心配ないですよね。

A. 自転車に乗ることが適度な運動になるとはいえません。

自転車は振動がじかに体に伝わりますし、体をガードするものがないので、転倒したらとても危険です。おなかが大きくなってくると操作ミスも起こしやすくなります。やめた方がいいでしょう。

Q. 歯の治療を受けたいのですが。

A. 妊娠中期に入れば安心して治療できます。

妊娠中に歯の治療に使われる抗生物質や麻酔薬は、赤ちゃんへの影響はまず少ないといわれています。なお、特におなかのはりなどなければ検診は初期から受けて大丈夫です。

Q. 妊娠がわかる前に会社の健康診断でX線写真を受けました。お腹の赤ちゃんへの影響が心配です。

A. X線撮影前には必ず妊娠していることを伝えるようにしてください。

100~200mGyというしきい線量を超えて大量に放射線を浴びるとお腹の赤ちゃんに影響を与えますが、通常のX線検査で浴びる放射線の量は1.4mGy程度と微量ですので、健康診断で受けた程度なら赤ちゃんの奇形・精神発達障害・小児がんや白血病のリスクが上がることはありません。最も放射線感受性の高い妊娠初期であっても、心配はありませんので、過度に心配をして不必要な中絶手術を選択することがないようにしてください。ただし、妊娠がわかったあとは、なるべくX線検査を行わずにほかの検査を行いますので、X線撮影前には必ず妊娠していることを伝えるようにしてください。なお、妊娠中でも病気の治療に検査が必要だと判断する場合には、X線防護を行ってX線検査を行うことがあります。

Q. タバコをやめられません

A. 妊娠中の喫煙は、早産をまねいたり赤ちゃんが低出生体重児になりやすいと言われています。

たばこのニコチンによって血管が収縮して胎盤に流れる血液の量、つまり栄養が減ってしまいまうからです。さらにたばこの煙に含まれる一酸化炭素は、本来酸素と結びつくはずのヘモグロビンと結びついて赤ちゃんに送られる酸素の量まで減ってしまいます。そのため、子宮の収縮が起こりやすくなり、胎盤の機能低下から流産・早産だけでなく、常位胎盤早期剝離、胎児機能不全などの引き起こすこともあります。実際に、妊娠末期まで喫煙していると、早産の危険性は初期に禁煙した人に比べて約2倍の確率になるというデータがあります。また、日に200本以上タバコを吸う妊婦さんにおいては、3人に1人が低体重児を出産するという報告もあります。

よく聞かれるのは、どれくらいの量なら吸って大丈夫ですかという質問ですが、どのくらいの量なら大丈夫だとか、妊娠期間中のどの時期に影響が大きいのかという問題についてははっきりとはわかっていません。ただし、本数はすくなければ少ないほど安全ですし、早産や低出生体重児を防ぐという意味では、妊娠4か月以降、特に妊娠末期の喫煙は絶対にやめるべきだといえます。タバコは百害あって一利なしです。悪いとわかっていて本人がその気でがんばれば取り除けるものは除いたほうが良いでしょう。また、たばこを吸う人が吐き出す副流煙にも濃い濃度の有害物質が含まれていて有害ですので、妊娠中はお父さんも喫煙することをおすすめします。

Q. 毎晩のようにお酒を飲んでいた直後に妊娠しました。おなかの赤ちゃんが心配です。

A. 妊娠がわかったら飲酒はやめるようにしてください。

アルコールは個人差はありますが、たいていは一日で代謝されて尿として排出されます。したがって、飲んでいたアルコールが体に蓄積されて赤ちゃんに影響を与えるようなことがありませんから、心配はいりません。しかしながら、お母さんが飲んだアルコールは胎盤を通して赤ちゃんに届きます。毎晩のように飲酒を続けると、赤ちゃんの脳や神経の発達に影響を与えることがある上に、胎児の成長の妨げにもなりますので、妊娠がわかったら飲酒はやめるようにしてください。