妊娠中の性感染症

クラミジア

クラミジアに感染したまま妊娠すると、流産や早産の引き金になったり、子宮外妊娠を起こしやすくなると言われています。また、出産時に赤ちゃんが感染すると、結膜炎や肺炎を引き起こしてしまうこともあります。

しかも、クラミジアは感染してもほとんど自覚症状がなく、気がつかない場合が多いのが問題です。

自覚症状がない上に再発しやすいので、特に妊娠中に感染してしまった場合には、自己判断で治療を行わずに必ず産婦人科専門医に相談して治療を受けましょう。お母さんが治っていても、お父さんが治りきっていなかったら、再度感染してしまう危険もあります。必ず夫婦一緒に治療を受け、大切な赤ちゃんのためにも、出産までには夫婦ともに治療するようにしましょう。

淋病

「淋病」は、淋菌という細菌が原因の病気であり、性交渉によって感染します。ほとんど自覚症状がないため、感染に気がつかないケースがあります。

淋病は早産や子宮外妊娠の原因にもなります。妊娠中に感染し、出産の時に産道感染すると赤ちゃんが結膜炎を起こすことがあります。ペニシリン系の抗生剤の注射や薬を服用して、きちんと治療しておけば問題はありませんので、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

トリコモナス膣炎

トリコモナスという原虫が原因で起こり、感染後1〜2週間で発症する病気です。主に性行為で感染しますが、まれに公衆浴場などで感染することもあります。妊娠中は膣の自浄作用が低下するため、感染しやすくなりますので注意してください。

感染すると、おりものが濃い黄色や緑色のようになり、細かい泡が混ざります。おりものの量も増えて、外陰部や膣にかゆみを訴えます。

しかしながら、妊娠中に感染しても、妊娠・出産への影響や産道で赤ちゃんに感染してしまう危険はありません。