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4Dエコーってなあに?

4Dエコーとは、お腹の赤ちゃんの様子を立体的に、なおかつリアルタイムの動画で見ることができる超音波検査です。Dとはdimension(次元)の略語で、一般的な妊婦検診で用いる2Dエコーは縦と横を映し出し平面的(2次元)で赤ちゃんを撮影したものです。従来の3Dエコーは、三次元(長さ・幅・奥行)の超音波でお腹の赤ちゃんの様子を見ることができるものですが、画像としては立体的な静止画となります。これに時間軸を加えて、あたかもビデオを見ているように動画でお腹の中の赤ちゃんを撮影できる超音波が4Dエコーになります。

まとめますと、以下のようになります。

  • 2D:平面的に撮った静止画(縦×横)
  • 3D:立体的に撮った静止画(縦×横×奥行)
  • 4D:立体的に撮った静止画に時間軸を加えた動画(縦×横×奥行×時間軸)

4Dは実際に胎児が動いている様子がわかりますので、とても愛着が湧く映像が見られます。赤ちゃんはお腹の中でも、指しゃぶりをしたり、手足を動かしながら元気に動いたり、あくびをしたりします。自分で自分の足を持ってみたり(赤ちゃんって体が柔らかいのです!)、へその緒をおもちゃの代わりにして遊んだりしている仕草はとても可愛らしくて微笑ましいものです。24週を過ぎると顔つきもかなりはっきりしてきて、表情も出てきます。笑っているしぐさや微笑んでいるしぐさが見られることもあります。ご両親でお越しになって下さると、鼻筋がしっかりしていらしてお父様に似ているな、とかいうことまで何となくわかるようになり、ご夫婦でどちらに似ているか話したりなさる光景も見られます。

このように4Dエコーはタイミングや角度が良ければ、赤ちゃんの表情やしぐさ、動きまでよく見えるので、お腹の赤ちゃんを心待ちにしている妊婦さんにとってはもちろんのこと、お腹の赤ちゃんをまだよく実感出来ないお父さんにとってもおすすめです。当クリニックでは、妊婦さんだけでなく、ご主人様、祖父母様までご家族皆様でご来院頂き一緒にエコー画像をご覧いただけますので、赤ちゃんが上手くお顔を出してくれると、ご主人様や祖父母様からも感嘆の声が上がることもあります。私達、産婦人科医療に従事している者にとっても、患者様と一緒に喜ぶ事ができる嬉しい場面です。ご家族様がお仕事などでお忙しい場合でも、USBでお持ち帰り頂くことが出来ますので、ご家庭の皆様でご自宅にてご鑑賞頂けます。

4Dエコーより2Dエコーの方が得意とすること

リアルタイムに動画で確認出来ますので、お母さんや家族にとっては嬉しい4Dエコーですが、赤ちゃんの位置によっては適切な画像をとることが難しかったり、時間がかかったりします。また、赤ちゃんの発育に問題がないかを確認するための胎児情報(例えば、推定体重(EFW)、頭の大きさ(BPD)、胎児頭殿長=赤ちゃんの座高(CRL)、羊水量(AFI)、赤ちゃんの血流など)は、2Dエコーの方が情報を取りやすいこともあり、一般的な妊婦健診では現在でも2Dエコーが使用されるケースがほとんどです。当院の妊婦健診でも2Dで胎児測定等を行いながら、赤ちゃんのお顔が見えそうなタイミングを見つけて4Dエコーに切り替えています。(4Dエコーには2Dの機能もついているため切り替えながら検査することができます)。
また4Dエコーは現在のところ非常に高価である(機種にもよりますが、定価ベースで数千万円)ことも、多くの産婦人科の妊婦健診で2Dが採用されている理由の一つであると考えられます。

胎児エコーのエキスパート臨床検査技師とは?

臨床検査技師とは、病院などの医療機関において種々の臨床検査を行う技師で、日本においては、臨床検査技師等に関する法律により規定されており、専門の学校を出た後、国家資格を取得しなければなりません。
かつては全ての検査を医師自ら行なっていた時代もありましたが、医療の分業化と検査の高度化が進み、現在の医療に臨床検査技師は不可欠の存在となっています。

臨床検査技師が無事国家資格を取得したからといって、誰もが胎児超音波(=胎児エコー)をすぐに行えるわけではありません。その後にも長い訓練や沢山の勉強、研修が待っています。特に胎児分野の臨床検査技師は日本ではなかなか採用が困難な貴重な人財であり、胎児超音波専門の病院や産婦人科検査室等における長い研修や実務経験、専門的な研修(例えば胎児心エコーの症例研究会等、研修は多岐にわたります)に積極的に参加し、独学を重ねる必要があります。
臨床検査技師が胎児スクリーニングやNT検査を行えるようになるまでには、沢山の症例と勉強が必要になります。数ある超音波の分野の中でも、胎児分野は唯一、他の臓器と違って胎児が動き回るという特性からも習得が難しいとされている分野でもあります。

胎児超音波検査のみに限ったことではありませんが、近年では、医療の進歩と共に、臨床検査も高度化・複雑化しています。 全ての分野、全ての検査において医師が鍛錬を積むことはもちろん重要なことですが、現実では医師では対応できない、又は臨床検査技師の方が精通している分野もあり、自らの専門分野については医師よりも高度で専門的な知識・技術を身に着けている臨床検査技師も多く存在します。超音波の専門分野において経験を積み、専門性が認められると超音波検査師として認定をうけます。超音波検査師になるためには、数多くの症例報告と難しい試験に合格しなければなりません。それもそれぞれの領域でわかれており、例えば乳腺分野の超音波検査師が簡単に胎児超音波をできる訳ではなく、乳腺超音波とは別に、また一から胎児超音波の勉強、症例、研鑽を積むことが求められます。
このように臨床検査技師はいわば医療検査のスペシャリストであり、自らの専門分野においては医師よりも卓越した検査技術を身につけ、医師からも頼りにされる・・・そんな人財なのです。

当クリニックでは4Dエコーはすべて経験を積んだプロフェッショナルの超音波検査士・臨床検査技師・助産師・医師にて行います。看護師も超音波検査士もみな動きやすいナースウェアを着ておりますので、看護師に間違われることがありますが、看護師が4Dエコーを担当することはなく、胎児超音波について研修、鍛錬を積んだ専門性の高い超音波検査士、臨床検査技師、または同じく専門性の高い助産師のみがエコーを担当します。(4Dエコーについてのスキルのみでは、ほぼ医師と同等です。)

なかなかお顔を見せてくれない恥ずかしがり屋の赤ちゃんも・・・

他院に通院中の患者様が4Dエコーをご希望になる際には、超音波検査士・臨床検査技師・助産師・医師は何としても赤ちゃんのお顔を4Dに写し出すことに精一杯の力を注ぎます。はじめからこちらを向いて笑ったり、手遊びをしたり、ピースをしたりしてくれる積極的な赤ちゃんもいれば、中には恥ずかしがり屋の赤ちゃんもいます。
赤ちゃんの顔が子宮の壁や胎盤に近づいていたり、お顔の前に手足やへその緒がきていたりすると4Dエコーでお顔を見ることが難しい場合があります。そのため、妊婦さんにご協力頂いて、あちらを向いて頂いたり、こちらを向いて頂いたり、プローブを色々な角度で当ててみたりと試行錯誤を繰り返します。医師がエコー室に参りますと、技師がどうにかして赤ちゃんのお顔を出そうと、横向きの妊婦さんにまるで馬乗りになるような姿勢で(本当に馬乗りはしないですよ!危ないですからね・・)真剣な顔つきで試行錯誤している様子がよく見られます。

4Dエコーは赤ちゃんの位置を測定することには適していません。そのため、赤ちゃんが反対を向いていたり、なかなかお顔を見せてくれない時には、2Dエコーに切り替えて赤ちゃんの位置を測定し、お顔を見やすい位置を探します。そして無事、赤ちゃんのお顔が見えそうな位置を見つけたら、4Dエコーに切り替えるということを繰り返します。

やっとお顔を出してくれた!と思ったら次の難関は赤ちゃんの手やへその緒の位置です。お腹の中の赤ちゃんは二の腕を顔の前に持ってくるスタイルが好きです。そのため、折角お顔の位置を4Dエコーで写し出しても、お顔を二の腕で隠している場合が多く見られます。この可愛らしいお手々をどけてくれる一瞬を待ったり、妊婦さんに少し体勢を変えて頂いたりを繰り返します。そしてやっと手をどけてくれた!と思ったら、今度は赤ちゃんも一緒に動いて顔の位置が動いてしまう・・・。
仕方がないのでまた2Dエコーに切り替えてお顔を写しやすい位置を探す・・・・。このように、必死の努力を繰り返して、何とか短い時間で赤ちゃんのお顔を撮影することに力を注ぎます。(長時間の超音波は母体への負担が大きく、お腹が張り苦しくなりますので)それでも残念ながらお顔がほんの一瞬でも映らないことがあります。臨床検査技師又は助産師と医師の二人がかりで粘っても、お顔を一瞬でも写し出すことが出来ない時には、それ以上の長い時間のエコー撮影は妊婦さんの負担になりますので、他院の患者様向け有料の4Dエコーの場合であっても、医師がコストフリーと判断をして(USB代金1,000円)のみをお支払い頂き、次回に再度ご来院をお願いしています。

(※コストフリーについてはあくまでも医師の判断になります。また、上記のような涙ぐましい努力の末、一瞬でもお顔が写った時には、費用を頂戴しております。赤ちゃんのベストショットはUSBとは別に、白黒・カラーの用紙にてお渡ししております。人生初の記念撮影です、どうぞ大切になさって下さい。)

胎児の発育評価や奇形の有無は4Dエコーより2Dエコー、妊婦健診を受診中の産婦人科で

このように、4Dエコーは赤ちゃんを立体的に動画で見ることが出来ますのでお腹の赤ちゃんの画像を楽しむことに適しておりますが、赤ちゃんの測定や異常を探すことは2Dエコーの方が得意とするところです。胎児の発育評価、測定(胎児の大きさや体重がその週数の標準であるかどうか)、口唇・口蓋裂の有無や背骨の髄膜瘤(腫瘍が背中にあると神経麻痺等の原因となりえる)、耳介低位(じかいていい、耳と位置が低いと18トリソミーなどの可能性もありえる)、指の数、心臓が4つの部屋にきちんと分かれているか、胎児の心臓の流れはどうか、頭部や内臓の位置に問題はないか、などについては2Dエコーの方が適しています。

当院の妊婦健診でも2Dで胎児測定等を行いながら、赤ちゃんのお顔が見えそうなタイミングを見つけて4Dエコーに切り替えています(4Dエコーには2Dの機能もついているため切り替えながら使用します)。当院の患者様はすべての期間を合わせますとで1時間前後にわたって録画を致しますので、ちょうどお顔を見せて下さったどこかのタイミングで4Dエコーに切り替えることが可能です。

当院にお通い中の妊婦さんは、通常の妊婦健診で必要な測定を行い胎児に異常がないかを調べるとともに、さらに適切な週数にてスクリーニングを行います。スクリーニング検査では胎児分野専門の超音波検査士(又は同等のスキルを持つと医師が判断する臨床検査技師)が、胎児に異常がないかを詳しく調べます。(胎児スクリーニングについて詳しくはこちら)当院のスクリーニング検査では、赤ちゃんの向きや体勢、発育状況次第で、再スクリーニングを行うこともあります(追加費用はなし)。このように胎児の異常は赤ちゃんの向きや体勢などのタイミングによっても見つからないこともあり、週数や成長によって継続的に判断すべき内容もあり、定期的に検診を行う妊婦健診で2Dエコーにて行う方が適していると考えております。

他院の患者様向けのスクリーニング検査もお受けしております。胎児スクリーニングについては詳しくはこちらをご覧ください。

 

おことわり

当院で妊婦健診をお受けの方のスクリーニング検査においても言えることですが、胎児超音波検査で胎児の病気が、すべてみつかるわけではありません。病気によっては胎児エコーではわからない病気もたくさんあります。どんなに一生懸命にスクリーニングを行なっても生まれてみなければわからない病気が数多くあります。
さらに赤ちゃんの向きや体勢によっても見つからない場合もあります。エコーで胎児の異常が見つかる割合は50%前後と言われており、残りの50%はエコーをしても見つからないとされています。当院の医師・超音波検査士・臨床検査技師・助産師は超音波検査においてベストを尽くすように努めておりますが、残念ながら見つからなかった異常についての責任を負うことはありません。超音波検査にも限界があるということを、ご理解頂ければ幸いです。