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性経験がない方の子宮頸がん検診

子宮頸がん検診クーポンや横浜市の子宮がん検診助成事業などの啓蒙活動により、多くの方が子宮頸がん検診を受診するようになってきました。中には性経験のない方でも子宮頸がん検診を受診なさる方が多くいらっしゃいます。実際、未婚の方の4人に1人は性経験がないともいわれており、婦人科では決して珍しいことではございません。

当院でも、性経験のない方が子宮頸がん検診を受診され、説明が上手く伝わらずに、大変ご不快な思いをなさってしまったというケースがごく最近ありました。自分の説明能力の足りなさを恥じるとともに、その患者様には大変申し訳ないのですが、婦人科検診にまつわる色々な制約事項と、検診の必要性を患者様にどのように説明したらご理解いただけるかを再検討する良いきっかけとなりました。

内診はたとえ性経験のある方であっても、患者様側にとってはできれば受けたくない検査です。まして、性経験のない方であれば不安な思いもひとしおでしょうし、できれば産婦人科医の立場からも、必要性のあまりない検査はせずに、必要な検査を受けて頂きたいと考えております。

性経験のない方で子宮頸がん検診を受けるか悩んでおられる方は、ぜひご来院前にご一読頂ければと思います。

当院では、性経験のない方の子宮がん検診にあたっては、小児用の小さなクスコを使用し、検査用ブラシも綿棒などの特殊な物にして細心の注意を払って痛みの少ない検査を行うように致しております。しかし、それでも痛みや少量の出血を伴うことがあります。

痛みに弱い方や不安がある方は、「子宮がん検診のクーポンが届いたから」「友達がみな子宮がん検診を受けているから」といって無理に受診する必要はありません。性交渉がない方は、発症の可能性はかなり低いのですから、精神的に負担を感じてまで受ける必要はないかもしれません。しかしながら、ごくわずかではありますが、数パーセントの確立で、性交渉のご経験のない方でも子宮頸がんに罹患する可能性はありますので、気になる方はには経膣超音波にて検査致します。また、併せて腹部超音波検査などで子宮筋腫や卵巣嚢腫がないかどうかを調べてみる方をおすすめします。

性経験がない方の子宮の病気の検査方法

超音波検査

子宮の病気は子宮頸がんだけではないので、性経験のない方でも婦人科検診は受けたほうが良いでしょう。子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症、ポリープなどの思わぬ病気が見つかることがありますので、超音波検査の受診をおすすめ致します。

性経験のある方の検診では、通常、子宮内超音波(=経膣超音波)といって、膣内に細長い棒状の超音波装置を入れ、子宮内の状態を超音波にて拝見させて頂きます。子宮内超音波検査で用いる棒状の超音波は、当然ながら子宮がん検診で用いる検査用ブラシや綿棒よりも太くなりますので、性経験のない方の子宮内超音波検査に‪ついては、子宮がん検診よりも強い出血や痛みを伴うことがあります。

そのため、性経験のない方の子宮内超音波検査(=経膣超音波検査)は通常は行わないことがほとんどです。その代わりとして、以下の腹部超音波検査、もしくは直腸超音波検査のどちらかの方法での検査を行うことになります。直腸に検査用のプローブを挿入する直腸超音波検査は、お腹の上からプローブを当てて調べるだけの腹部超音波検査に比べると痛みが強いことが特徴です。そのため、お腹の上からプローブを当てて調べるだけの腹部超音波検査の方が患者様のご負担は少なくて済みますが、その代わりに直腸超音波検査ほどは細かな病変が分かりにくいということがあり、どちらも一長一短であるため、患者様ご本人様のご希望を伺ってから、検査方法を決めるようにしています。

腹部超音波検査

腹部から超音波を当て、子宮筋腫や卵巣腫瘍などの有無を調べます。

お腹の上から超音波を当てるだけですので、痛みがありません。子宮内腔の見え方は、当然ながら子宮内超音波よりは劣りますが、最近では腹部エコーの性能もあがってきておりますので、3~4センチ以上の筋腫や腫瘍であれば検査が可能です。

当院では、4D超音波にも使用するGE社製の高性能な腹部エコーP/S/Eシリーズを使用しておりますので、腹部超音波検査でも比較的良く見える傾向にあると思います。

ただし、3~4センチ以上の大きな筋腫や腫瘍については、確定診断が可能ですが、2~3センチ以下の小さな筋腫などについては、エコー画像に写らないことがあり得ます。

直腸超音波検査

子宮内超音波検査の代わりとして、肛門より超音波検査を行い、肛門から子宮内超音波を撮影する方法が直腸超音波検査です。肛門と子宮は位置が近いため腹部エコーよりも子宮内がよく見えるのです。

検査にあたっては、ゼリーで痛みを軽減するようにはしておりますが、検査の性質上、どうしても痛みを伴います。とはいえ、直腸超音波検査は腹部超音波検査に比べて、より小さな(2~3センチ、場合によってはそれ以下の)筋腫や腫瘍についても見つけることができるというメリットがあります。

そのため、性経験のない方で下腹部痛などが続く場合で、腹部超音波検査で異常がみつからない場合には、直腸超音波検査の受診をおすすめすることがあります。