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性器ヘルペス

クラミジアの次に多い性感染症(STD)です。ヘルペスはウィルスによりかかる性病のため、いったんこのウィルスに感染すると、治った後も体力が落ちた時などに再発を繰り返すことが特徴です。性器ヘルペスの患者の6~7割は再発例です。初めての感染では、感染後1週間前後で外陰部にかゆみを覚えて、そのあとで強い痛みと腫れを感じて、米粒くらいの赤い水疱ができます。その後、その水疱がつぶれて潰瘍となり、下着に触れると激しい痛みを感じます。さらに痛みのために排尿も難しくなり、足の付け根のリンパ節が腫れ、発熱することもあります。再発した時にも、水疱や潰瘍ができますが、初めて感染したときに比べると症状は軽くなります。ときに感染や再発しても無症状であることもあり、本人に自覚のないまま感染源となることもあります。

出産のときに感染している場合には、流産や早産を引き起こす危険性があるだけでなく、産道感染により赤ちゃんが新生児ヘルペスにかかり死亡するリスクも高くなります。そのため、妊娠中に感染した場合には、帝王切開になります。

検査・治療

座っていられない痛み、外陰部に水疱があった場合などは、明らかに性器ヘルペスの可能性が高いので、視診と症状でわかります。場合によっては水疱の分泌物にウィルスがいないかどうかを検査したり、血液検査を行う場合もあります。治療法は、抗ウィルス剤の内服と症状を和らげる塗り薬を塗ります。5日間の内服後、再検査を行って、完治していない場合には、内服をさらに5日追加します。ウィルスの病気で服用する抗ウィルス薬は、ウィルスを増殖するのを抑えて治療の期間を短くするだけなので、最後は自分の体力でウィルスを抑え込まなければなりません。そして神経節に潜伏したウィルスには薬がきかないために、ヘルペスに一度かかると身体が弱った時や免疫力が落ちた時にぶり返してきます。このようにヘルペスは免疫力の低下により繰り返してしまい相手にうつったりしてしまうので、注意が必要です。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマはウイルス感染症の一つで、ヒトパピローマウイルスによって起こります。感染から発症まで1カ月~6カ月と長い潜伏期間があり、忘れかけたころに症状が出るので、感染時期や発症時期がよくわからないことが多い病気です。症状は、伴い先の尖った特徴的な外見のイボ(腫瘍)が単発または多発し、カリフラワー状になることもあり、かゆみも伴います。

検査・治療

特徴的な外見のいぼができるので、婦人科専門医であれば視診にて簡単に診断が出来ます。イボが小さいうちは薬を塗って様子をみますが、大きくなったものは液体窒素で凍結させて取り除いたり電気メスで焼くなどの必要があり、治療には痛みが伴います。いぼが小さなうちは外用薬ベセルナクリームで治りますので、おかしいなと思ったら早めに受診するようにしましょう。また、この病気は出産時に産道感染で赤ちゃんに感染する危険性もありますので、出産前に治療しておくことが必要です。

なお尖圭コンジローマは良性の腫瘍ですが、原因となるヒトパピローマウイルスに中には子宮頸がんを引き起こす悪性の型もあり、尖圭コンジローマの病巣からこの悪性型ウィルスが見つかることもあります。したがって、尖圭コンジローマに感染していたら、念のため子宮頸がんの検査を受けることをおすすめします。

HIV(AIDS:後天性免疫不全症候群)

ほとんどの人が「自分には関係ない病気」と思っているエイズですが、年間1000件以上の新規感染報告数があり、国内では累計で2万7千人もの人が感染しています。また、世界ではおよそ3670万人、年間180万人の新規感染がいます。自分で感染していることに気づいていない人はもっと多くて、実際の感染はこの5~10倍に上るのではないかといわれています。

エイズはHIV(ヒト免疫不全ウィルス)に感染して起こる病気で、血液や精液、膣分泌液、母乳などを介して感染します。感染すると2~4週間後に発熱、頭痛、咽頭痛、発疹、関節炎など風邪のような症状がみられるますが、ほとんどの人が「風邪でもひいたのだろう」と見過ごしてしまいます。

これらの症状は10日ほどでおさまり、その後は10年以上、なんの症状もありません。何も治療しないでいると、10年ほど経ったところで体の免疫機能が落ちてきて、カリニ肺炎、カンジダ症、サイトメガウィルス感染症などのいわゆる日和見(ひよりみ)感染とよばれる病気や、さまざまな合併症が起きてエイズが発症します。

検査

HIV抗体検査(血清検査)

血液中にHIVの抗体があるかどうかを調べるスクリーニング検査です。ただし、感染してから抗体が作られるまで6週間以上かかるので、その期間中は感染していても陽性反応が出ない場合があります。一次検査で陽性反応が出た場合、もう一度確認検査を行います。確認検査でも陽性が出ると感染が確定します。もしHIVに感染していたら、必ずパートナーにも検査をすすめましょう。

治療

強力な数種類の薬を使用した服薬治療により、エイズ発症の時期をできる限りおさえる治療を行います。最近では、よりHIVによく効く副作用の少ない治療薬が開発され、早期に治療を開始すれば普通の生活を送ることが可能になってきました。とりわけ早期に治療を開始した場合には、ウィルスを完全に消すことはできなくても、血液検査で測定不能なくらいまでウィルスを抑えることができます。

「エイズは同性愛者や風俗店などに出入りする人、不特定多数の相手と性交渉をする人がなる病気」だと思っている人が非常に多いですが、実際にHIVに感染した人の役8割がパートナーは1人だったという統計があります。自分の交際相手が一人であっても、相手の過去の相手に感染していた人がいたかもしれません。そのように考えると、性交渉の経験のあるすべての人に等しく感染する可能性があります。検査は血液検査で簡単ですので、気になる方は一度ぜひ受けてみてください。感染を早めに知れば、重症化することなく、あなたの大切な人にもうつさなくて済みます。

B型肝炎

B型肝炎ウィルスによって起こる病気で、輸血や医療行為などによる血液感染や母子感染が原因のものが多い病気ですが、性行為でも感染します。キャリアと呼ばれるB型肝炎ウィルス保菌者の多くは母子感染が原因です。キャリアと性交渉しても必ずうつるわけではなく、血液に含まれるウィルスの量が少なければ感染しないこともあります。感染した場合でも、約8割は一過性肝炎で症状がないまま治癒しますが、約2割は急性肝炎となり、黄疸や食欲不振、嘔吐、だるさなどの症状が現れます。慢性化すると肝がんに進行します。まれに激化して死に至ることもあります。

検査

血液検査でHBS抗原の有無を確認します。

治療

成人がSTIとして感染した場合には、特別な治療をしなくても3カ月程度で治癒することがほとんどです。食欲不振などがある場合には、点滴などを行います。急性化した場合には入院して、安静を保ち、栄養補給をすれば1カ月程度で治ります。慢性化した場合には、ペグインターフェロンやエンテカビルなどの抗ウィルス薬による治療を行います。

トリコモナス

トリコモナスはトリコモナス原虫による感染症です。ほとんどの場合、性交渉で感染しますが、まれに浴室で感染することもあります。男性は感染しても症状が出ないケースが多く、感染に気が付きません。そのため、いわゆる「ピンポン感染」を起こしやすい病気です。女性の症状としては、泡状の黄色いおりものが増加して、魚の腐ったようなツーンとする独特のにおいがします。また、外陰部や膣が炎症を起こしてかゆくなったりします。炎症が進むと、膣が赤く腫れて排尿時や性交渉の時にヒリヒリとしみることもあります。

妊娠中に感染すると早産を招くリスクもあるので、おかしいなと思ったらすぐに婦人科を受診するようにしましょう。

検査・治療

検査はおりものの検査(顕微鏡検査)で、1週間ほどでわかります。治療は抗原虫薬の(メトロニタゾール)の服用で10日間です。ほぼすべての方がこれで完治なさいますが、中にピンポン感染により完治していない方もおられますので、服薬終了の1週間後に再検査にいらしていただきます。万一、再検査後に陽性だった場合には、同じ薬を再度10日間服薬して再検査し、完治していれば終了の流れになります。治療中はパートナーも必ず一緒に治療して、性行為を避けることが重要です。

カンジダ

カンジダというカビ(真菌)の一種によって膣に起こる炎症で、多くの女性がかかりやすい病気です。このカンジダ菌はもともと膣内や口などふだんから体にいる常在菌です。体の抵抗力が落ちたり、抗生物質を服用して膣の自浄作用が低下したり、ホルモンバランスが崩れたりすると、それがきっかけで発症してくることがあります。とにかくものすごくかゆくなります。そして白いカッテージチーズのようなおりものがボロボロと出てきます。

カンジダはもともと膣の中に誰でももっているものですから、完治したと思ってもまた再発することがよくあります。このように膣の中にいる常在菌で誰もが持っているものですから、繰り返してしまうのは何か原因があるのではないかとか、パートナーにうつされたのではないかとか考えても仕方がありません。とはいえ、パートナーがいる人は、相手にも感染していることがありますから、相手にも検査や治療をしてもらうことが大切です。

こんな人はカンジダにかかりやすいので気を付けて

・過労や病気で免疫力が低下している人
・抗生物質を服用している人
・ダイエットなどでホルモンバランスが崩れている人
・妊娠中の人
・糖尿病の人
・ホルモン療法を受けている人

治療方法

治療は抗真菌剤を膣の奥に入れます。外陰部の炎症には、軟膏と膣錠使用します。かゆみなどの症状は薬を使用するとすぐに治まりますが、中途半端に治療をやめるとすぐに再発して、以前よりも治りにくくなりますから、出されている薬をしっかりと使いきるようにしましょう。なお、カンジダは常在菌の一種ですので、当院では治療後の再検査は特に行っておりません。