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トリガーポイント注射とは

トリガーポイント注射は多くのペインクリニックにおいて第一の選択肢となる治療法で、適用となる症状としては、腰痛、肩こり、肩や首のこり、しこり、痛みなどで、頭痛、疲れ目などがあります。これらはひどくなると、吐気、めまい、不安感、うつ症状、不眠など更年期障害と類似した症状を示すこともありますが、当院では通常の更年期の薬物治療にとどまらず、ご希望の患者様には、トリガーポイント注射やプラセンタのツボ注射などを組み合わせることにより、症状が改善されるケースが多く見られます。

トリガーポイントを直訳すると「引き金点」ですが、押さえると痛い部位で、関連する部位にも痛みがひろがる点を指します。これらはMPS(Myofascial Pain Syndrome)とよばれ、全身どこでもおこりますが、特に肩、背中、首、頭の筋肉にこのような症状が出ることが多くあります。これらの痛みは、ひどくなると夜間も熟睡出来ず、精神的にも集中出来ず、気持ちが落ち込み、それがまた症状を悪化させるという悪循環になり、慢性痛となります。実際、更年期〜閉経前後の女性でこの慢性痛に悩まされている女性は驚くほど多くいらっしゃいます。

トリガーポイントは東洋医学のツボとも一致すると言われており、カナダの医師の研究によりますと、トリガーポイントとツボは71%一致すると報告されております。トリガーポイントは、肩や首などの部位に、筋肉が帯状に硬くなっているところがあり、その硬く張った部位を熟練した医師が指で抑えたり、撫でたりして探していきます。トリガーポイント注射は、このトリガーポイント(いわゆるツボ)に局所麻酔薬やプラセンタなどの西洋医学の薬物を注射して、痛みを取り去る治療法で、東洋医学的なツボの概念に西洋医学の薬物療法を組み合わせた治療法といえます。

このように、トリガーポイント注射では局所麻酔薬で神経による痛みの伝達を遮断し、一時的に神経を休めます。局所麻酔薬が効いているのはせいぜい1〜2時間程度なのですが、その後も効果が持続するのは、神経を一時的に休ませることにより、「痛みの悪循環」と呼ばれる痛みを慢性化させる仕組みを経つからです。「痛みの悪循環」とは、痛みがあると、その箇所の血管が収縮し、筋肉が緊張して血流が悪くなり、血液を通して送られる酸素や栄養分が不足し、その結果、痛みを起こす物質が蓄積し、さらに痛みを引き起こします。その痛みはさらに血液の収縮と、筋肉の緊張を引き起こし、悪い循環を繰り返します。これを「痛みの悪循環」といい、この悪循環に陥ると、症状が慢性化していきます。すなわち、もともとの痛みの原因がなくなっても、この痛みの悪循環が残っていると、いつまでも痛みが取れなくなるのです。この悪循環をトリガーポイント注射によって一時的に断つことにより、その後も痛みが取り除かれるわけです。

なお、「注射は痛い」のではと思われがちですが、細い特殊な針(27ゲージの極細針)を使用致しますので、痛みもずっと少なく、予防注射の方が痛いくらいです。また筋膜に薬液を注入するだけですので、危険性も少ない治療法であると言えます。

肩こり・頭痛のトリガーポイント

あるとき肩がこっていることに気がついて以来、なかなかこりが取れなくなってしまった。みなさんもこんな経験があるのではないでしょうか。その原因は肩こりの悪循環のせいかもしれません。肩こりで筋肉が緊張して硬くなっていると、血液の流れが悪くなります。するとそこに痛みを引き起こす疲労物質がたまり、 そのためさらに、痛みやこりがひどくなるという痛みが肩こりの悪循環です。また、いったん痛みが生じると痛みに対してより敏感になってしまうことも、がんこな肩こりの原因と考えられます。トリガーポイントによる治療は、いま起きている症状を鎮めるだけでなく、こりの連鎖を遮断して、新たなこりの発生を抑える効果もあります。

肩こりでは僧帽筋が凝っている場合が多く、肩井と呼ばれるツボにトリガーポイントが見つかることがあります。その他、肩外喩と膏肓に見つかることもあります。頭痛でのトリガーポイントは後頭部のでっぱり(後頭隆起)の外側に見つかります。肩こりが関係する緊張型頭痛では頭の付け根(風池や天柱)だけではなく、肩こりでみられるトリガーポイントへの注射も有効です。

肩関節周囲の痛みのトリガーポイント

肩関節の周囲に痛みを訴える患者さんも多くいらっしゃいます。特に、長時間のパソコン操作などでそれらの筋肉にいつも負担がかかっておられる女性は、過剰な負荷がかかるため、発症するケースが多く見られます。さらに、肩関節は体内に存在する多くの関節の中で最大の可動域があり、多くの靭帯と筋肉で補強されており、加齢による変化や使いすぎなどによって、肩関節周囲に痛みが生じるケースも多く、これを肩関節周囲炎と呼びます。いわゆる五十肩もこれに含まれます。

肩関節周囲炎は人によって原因が異なりますので、肩関節の後面だけでなく前面まで広範囲にトリガーポイントを探します。私の経験では、複数箇所にトリガーポイントが見つかることが多く、数箇所に注射する場合があります。

腰痛・坐骨神経痛のトリガーポイント

腰部の痛みは、日常最も良くある痛みの一つで、かくいう私自身も産婦人科医として内診台の前で中腰になる姿勢が多いことから、常に悩まされております。患者様によってその原因は色々で、筋肉疲労による筋肉痛から、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰椎間関節症など様々です。さらに、トリガーポイントの位置は、原因となる疾患によって異なるだけでなく、同じ腰痛でも患者さんによってそれぞれ場所が異なることがありますので、実際の治療では、触診して痛みの位置を確認させていただきトリガーポイントを探します。腰痛の場合は、主に腰椎(腰の背骨)のそばの広い範囲を探します。仙腸関節と呼ばれる部位にもトリガーポイントが見つかることがあります。

また、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症などによる坐骨神経痛では、腰椎や仙腸関節だけでなく、更に下の部分にトリガーポイントが見つかることがあります。ここにトリガーポイント注射を行うことにより、足の痛みも治まることがあります。

以上、主だった部位についてご紹介いたしましたが、トリガーポイント注射は全身あらゆる部位に有効な痛みの治療方法です。ご興味をもたれた方は、是非一度、ご予約の上ご来院下さい。スタッフ一同、お待ちしております。