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妊娠中の薬について

妊婦さんが不安に思うことのひとつに「妊娠中の薬について」がよくあげられます。確かに気になるし、真剣に考えることはよいことですが、ときどき過剰に心配する人を見受けます。妊婦さんに投与される薬は、公的機関によって催奇形性がないかどうかチェックを受けないと合格しないようになっています。心配しすぎは意味がありませんし、おなかの赤ちゃんにもよくありません。正しい知識を持って、冷静に理解してください。薬の中には、胎児の奇形の原因になるとされている成分を含んだものは確かにあります。またデータが不足しているため胎児への影響が不明確な薬もあります。すでに飲んでしまった薬については、過度に悩まずに、不安な場合には主治医に相談するようにしましょう。妊娠がはっきりわかったあとで、かぜをひいたり、便秘がつらいといったときに、自分勝手に判断して市販の薬を飲むようなことはしないでください。そして、産婦人科以外の診察を受けるときや、薬局で薬を買うときは妊娠していることを必ず伝えるようにしてください。

飲んでしまった薬の影響が心配です

妊娠中は薬の影響を受けやすい時期と、そうでもない時期があります。影響を受けやすい妊娠4週から7週は、赤ちゃんの中枢神経、心臓、消火器、肢体などの体の重要な器官が形成されるため、催奇形性のある薬を飲むと、赤ちゃんに奇形が起こることがあります。8週から15週までの期間は、性器や口蓋などの完成が引きつづき行われているので、奇形を起こす可能性は減ったとはいえ、なお薬については慎重に対応してほしいと思います。しかし、この時期に飲んだ薬が必ず影響するわけではありませんし、疑わしい種類の薬だとしても量的に影響ないこともあります。基本的に、市販されている薬を飲んでも心配なケースはそう多くはありません。

これから飲むときの注意点は?

妊娠が分かってからも、体の様子がおかしかったり、持病があるために薬を飲まなければいけないケースは、どんな妊婦さんにも起こり得ることです。それなのに薬について正確な知識のないまま「絶対に薬は飲みたくない」と過剰反応する人もいます。基本的に産婦人科で出されている薬は、母体の健康を維持し、妊娠を継続するために必要だと判断され、処方された薬なのです。ですから指示通りに飲んでください。また、市販されている薬は飲まないようにしましょう。理由は、現在の市販薬の中で胎児に影響があるとされているものはほとんどありませんが、テストの段階で妊婦さんに対して実験をしたわけではないので可能性はゼロではないからです。一方、たとえばてんかんや膠原病、甲状腺の病気、心臓病など持病のある妊婦さんの場合、妊娠中にその病気が悪化することはおなかの赤ちゃんにとっても大変危険なことです。それらの病気の治療に使われる薬の中には赤ちゃんの奇形の発生率を高めるものなどがあるのですが、だからといって使わずに妊婦さんが発作を起こすようなことは母体にとっても危険です。こんな場合は、医師が薬の強さや量をコントロールすることで、妊娠を継続できるように考えますので、主治医に相談して下さい。

薬の不安や悩み

Q. 妊娠が分かる前に市販の鎮痛剤を飲んでしまいました。

妊娠がまだわからなかった時期(たぶん2週くらい)にかぜをひき、高熱と頭痛がつらくて、いつも飲む解熱鎮痛剤を3回飲むました。

A. 催奇形性期の前なのでまず心配はありません

妊娠2週という時期は、受精したかしないかというところです。催奇形性期より前なので、まず心配はないでしょう。解熱鎮痛剤の中に含まれる成分のうち、インドメタシンやイブプロフェンといった成分は、妊娠の後期に所定量超えて大量に服用すると、おなかの赤ちゃんの動脈管の流れを阻害して、循環障害を起こすことがあります。しかし、決められた用量ををきちんと守って、短期間飲んでいた程度なら心配はいりません。

Q. 妊娠がわかる少し前に夫が風邪薬を服用しました。

A. 赤ちゃんに影響を与える心配はほとんどありませんので、安心してください。

赤ちゃんのお父さんが飲んで薬のうちで赤ちゃんに影響を与えるのは、遺伝子に影響を与える薬、染色体やDNAにかかわる薬です。実際にはこうした薬は非常に少なく、抗がん剤などのごく限られた薬のみです。お父さんが飲んだ薬が赤ちゃんに影響を与える心配はほとんどありませんので、安心してください。

Q. 妊娠判明前に抗ヒスタミン剤を常用していました。

アレルギー性鼻炎で妊娠する前から、ずっと市販の「パブロン」という点鼻薬使っていました。抗ヒスタミン剤が含まれているので心配です。

A. 局所的に使うものはまず安全です。安心して下さい。

点鼻薬など、体の特定部分に使う薬は、その部分だけに効くようにできています。もし仮に赤ちゃんに影響するような薬が入っていたとしても、その成分がおなかの赤ちゃんのところまで届くことはまずありません。ですからほかにも吸入薬や目薬などもいちばん安心して使えるタイプの薬だといえます。

Q. クラミジアの治療で抗生物質が処方され、影響はないか心配です。

妊娠15週で、血液検査でクラミジアへの感染が判明し、「クラリス」という抗生物質を処方されました。クラミジアに使われる抗生物質は赤ちゃんに影響があると聞いたことがあり心配です。

A. 赤ちゃんへの影響がある抗生物質は処方しません

「クラリス」はエリスロマイシン系の抗生物質で、セフェム系と同様に赤ちゃんへの影響は心配ない薬です。したがって妊婦さんに処方されることが多いです。一方、テトライサイクリン系の抗生物質は大量に服用すると胎児の歯が黄色くなり、歯のエナメル質が弱くなるという報告があります。妊娠さんに抗生物質が必要な場合は、産婦人科ではそういう心配のないエリストロマイシン系かセフェム系を処方していますので安心して下さい。

Q. 切迫流産で入院中に飲んでいた薬は問題ないのですか?

A. 妊娠を継続するために必要な薬です。

医師は、お母さんの体と、おなかの赤ちゃんのことの両方に責任を持って対処しています。産婦人科で出す薬は必要とされて処方されているのですから、きちんと服用するようにしましょう。

Q. 便秘薬を常用しています。産婦人科の先生はだいじょうぶと言いますが心配です。

A. 薬ばかりに頼らずに食生活を見直すことも重要です。

「アローゼン」と「ラキソベロン」は、いずれにも赤ちゃんに直接影響を及ぼすような成分は含まれていません。催奇形性や胎児毒性も報告されていません。ただ、薬によって腸の膨張が起こり、子宮が収縮することは起こり得ます。ですから、便秘をひどくさせないように、薬ばかりに頼らずに食生活を見直すことも重要です。水分や繊維質の食品を多く取るように心がけましょう。