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11人に1人が発症―女性が罹患するがんの第1位

日本では乳がんが年々増加し、女性が罹患するがんの第一位になっています。罹患者数は毎年8万人以上、年間死亡者数は1万4千人以上です。これはおよそ11人に1人が乳がんを発症しているということになります。乳がんは乳房の中の乳腺にできる悪性腫瘍の名称で、初期段階では痛みなどの自覚症状はほとんどありません。そのため、検診を怠っていると見逃してしまうがんであるのです。しかも、乳がんはほかのがんとは違い、比較的若い世代に多いという特徴があります。一般的にがんは年齢をかさねるにつれて増加する傾向にありますが、乳がんだけは別で、社会で活躍中だったり子育て中だったりする30代後半から増え始め、40代でピークを迎えます。また、もっともハイリスクなのは閉経前後の50代で、80代まで罹患します。また、20代や30代で発症する若年性乳がんもあり、乳がんはすべての世代の方に気を付けていただきたいがんなのです。

とはいうものの、乳がんはマンモグラフィや乳腺エコーなどの検診を受ければ早期で発見することができるがんです。治療法もどんどん進歩していて、早期に発見できれば乳房の温存ができ、治癒率も90%以上です。

自覚症状がある場合には、年齢に関係なく早めに受診することはもちろんですが、40歳を過ぎたら自覚症状がなくても2年に1回の検診を受けるようにしましょう。

自覚症状として一番多いのは、痛みのない乳房のしこり、乳頭からの分泌液などです。しこりは、乳房の中に小さな石が入っているような感じで、かたくてでこぼこしています。このしこりがだんだん大きくなると、周囲の組織が引っ張られるため、乳房にくびれやひきつれが出来たり、乳首が落ち込んだりしてきます。さらに進行すると、乳首から出血したり、分泌物が出たりします。

このような自覚症状がある場合には、次の乳がん検診まで待つ必要はありません。できるだけ早めに受診を行うようにしましょう。忙しい生活の中でついつい自分のことは後回しにしてしまいかとは思いますが、40歳をすぎたら1〜2年に1回の定期検診とセルフチェックを怠らないようにしましょう。また、40歳未満であっても、遺伝性乳がん家系などの方も定期的な検診をうけるようにして下さい。

乳がん発症者数が増えたのはなぜか

乳がんの発症者数が増えた理由としては、女性の晩婚化・少子化や食生活の欧米化などが理由であると考えられています。女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性らしい丸みのある体を作る働きがあるので、乳腺を増やして乳房を大きくします。しかしながら、エストロゲンには同時に乳がんの組織を増やしてしまうという働きもあるので、体内でエストロゲンの分泌が多い時期が続けば続くほど、乳がんが発症しやすくなります。このエストロゲンは、妊娠中や授乳中には分泌が抑制されるので、妊娠・出産・授乳の期間がなかったり少なかったりすると乳がん発生のリスクが高まるのです。

さらに食生活の欧米化によって高たんぱくの食事が増えて、初潮が早くなり閉経が遅くなる傾向にあります。少子化や晩婚化もあり、現代の女性は昔の女性に比べて月経の回数が400回も増えているといわれています。月経中はエストロゲンが大量に分泌されるため、月経の回数が増えたことが、乳がん増加の一因であると考えられています。それ以外にも、家族に乳がんの人がいる場合には、遺伝性のリスクも考えられます。

乳がんセルフチェックの方法

乳がんは女性の罹患率ナンバー1で、発見が遅れると命にもかかわる恐ろしい病気です。しかし、早期発見できた患者さんの約90%は回復することが出来ます。そのうえ、乳房は自分で触れることができるために、セルフチェックをすることにより自分で気が付くことのできる怖くないがんでもあります。実際に、乳がんを発症した女性のうち、約70%の人がセルフチェックでがんを発見しています。大切なのは、定期検診をうけることと、自分で乳房の変化に気を付けること。家族に乳がんにかかった人がいない人でも、35歳を過ぎたら月1回のセルフチェックと年1回の定期検診を習慣にしましょう。

まずは目で見てチェックをしましょう

・ 乳房の大きさや形に変化はないか
・皮膚・乳頭にへこみやひきつれがないか
・乳首の陥没がないか
・湿疹やただれが出来ていないか
・乳房の皮膚が赤く腫れていないか
・乳房の一部がもりあがっていないか
・乳頭から透明、茶色、血液のような汁がでていないか

色々なポーズでチェックをしましょう

・両手をあげる
・腕をさげる
・腰に腕をあてる
・胸を突き出す

次に触ってチェックしましょう

乳房全体をくまなく触ってしこりの有無をチェックしましょう。立って触る、寝て触るの両方を行うのが理想的です。触り方のポイントとしては、指で乳房をつかむと乳腺がふれてしこりと間違えやすいので、4本の指をそろえて、指の腹を滑らせるようにして下さい。表面だけでなく、乳房の奥までふれられるように、肋骨にふれるくらいに強くおしながら指を滑らせて奥の方に石のようなしこりが触れないかを調べましょう。立って触るときには、腕をあげてわきの下のほうまでしっかり触ってリンパ節が腫れていないかを確かめてください。乳房の大きな方が寝て触るときには、肩の下に枕やタオルなどをいれると、乳房が平らに広がってさわりやすくなります。触り方は、まずはたてに平行線を引くようにくまなく、次に渦巻き状にくまなく、最後に放射線状にくまなくさわって下さい。同じことを検査する側の手を上げた状態、下げた状態の両方で行ってください。最後に乳頭をつまんで分泌物がないかをチェックすることも忘れないようにしましょう。日常生活のちょっとしたときに胸をさわる習慣をつけておくことが大切です。例えばシャワーを浴びるときに、せっけんをつけてすべりを良くした手で触ってみる、朝ブラジャーを付けるときに触ってみる、ブラジャーを外した時に、黄色や褐色のしみがついていないかをチェックするなど、こまめに自分の乳房に触る習慣をつけましょう。

こんな人は乳がんにかかりやすいので、気を付けましょう!

(半分以上チェックが入ったら要注意)

・家系に乳がんにかかった方がいる方
・子宮体がん・卵巣がんにかかったことがある方
・糖尿病の方
・30歳以上で出産経験、授乳経験のない方
・ピルや女性ホルモン、副腎ホルモン剤を常用している方
・初産年齢が高かった方(35歳以上)
・初潮が早くて閉経が遅かった方(55歳以上)
・たばこをたくさん吸う方
・飲酒の機会の多い方
・高たんぱく・高脂肪の食事が好きな方
・運動習慣が全くない方
・閉経後に肥満体系の方

乳がん検診の方法は3つ

乳がんの検診で行われる検査方法には、「視触診」「マンモグラフィ」「超音波検査(乳腺エコー)」の3種類があります。視触診でも、しこりがある程度の大きさであれば、触ってはっきりとわかりますが、乳がんを発見するための検査としてはマンモグラフィが一般的です。現在、市町村が実施する乳がん検診は、40歳以上の女性を対象として2年に1回行われていますが、この乳がん検診では、マンモグラフィと視触診が行われています。

マンモグラフィは乳房を板ではさんで平らにしてX線撮影をする検査で、ごく初期の石灰化も発見することができるので、自治体で行われる乳がんの住民検査でも取り入られています。触診ではわからない初期の石灰化などを映し出すため、早期発見に適しています。乳房を圧迫するために多少の痛みを感じることもありますが、検査時間は10分ほどです。乳房の張りが少ない月経後1週間くらいに検査をすると、痛みは比較的にすくなくなります。被ばく量はとても少なく、自然界での日常的な被ばく量と比べても多くはありませんが、妊娠中や妊娠の可能性のある方は受けることができません。また、圧迫版で乳房を薄くのばすために、豊胸手術をしている方(乳房内の食塩パックなどが損傷する)、授乳中の方(乳汁によりマンモグラフィ装置が故障するおそれがある)なども受けることができません。

超音波検査は、マンモグラフィが苦手とする小さなしこりも見つけることができますが、マンモグラフィで発見できる小さな石灰化は見つけることができません。そのため、超音波検査はしこりが多い若い女性に一般的には向いているとされていますが、年配の方でもその方の乳房によってはしこりができやすい体質の方もおられるので一概にはいえないところもあります。乳房超音波検査はX線の被ばくの心配がないため、妊娠中や妊娠の可能性のある方でも行えます。また、超音波検査は、マンモグラフィのように圧迫版で乳房を平らにする必要がないため授乳中や豊胸手術を受けた方でもお受け頂くことができます。

このようにがんの発見にはマンモグラフィが適している場合と、超音波検査が適している場合の両方があるので、できれば両方の検査を受けることがより望ましいと考えられます。

しかし、妊娠中や授乳中、妊娠の可能性のある方、豊胸手術を受けたことがある方はマンモグラフィ撮影ができませんので、乳腺エコーと視触診のみとなります。

万が一、これらの検診でがんが疑われた場合には、より正確な診断を行うために当院が提携している乳腺外科の病院またはその他ご本人様が希望する病院で細胞診や組織診断、場合によってはMRIやCT検査などをお受け頂くことになります。

乳がんと間違われやすい病気

乳がんはセルフチェックが重要なのでしこりや炎症、痛みなどの症状を訴えて来院なさるケースが多くあります。その中でもカテゴリー3以上の異常所見がみつかるのは、私の外来の場合では約10%程度です。残りはホルモンのバランスによって乳腺が減ったり増えたりする乳腺症、細菌によって乳腺に炎症を起こす乳腺炎、中に水分が溜まっている嚢胞、乳腺線維種などの良性腫瘍や脂肪種や粉瘤(皮下組織のたまり)であったりします。これらの中にはマンモグラフィや超音波検査で明らかに乳がんの可能性が低いと診断ができるケースがたくさんあります。逆に稀にではありますが、ベテランの専門医が良性の可能性の方が高いと思っても、念のため生検をしてみたら乳がんだったということもあり、乳がんの診断は本当に難しいのです。したがって、当院ではマンモグラフィの読影は必ず二次読影まで行い二人の医師によるダブルチェックを徹底しています。また、良性であっても念のために、半年に1回の継続的な定期検診の受診をお願いする場合もあります。セルフチェックで何らかの異常を見つけた場合には、安易に自己判断をせずにすみやかに受診いただきますようお願いいたします。

的野ウィメンズクリニックでは産婦人科専門医の資格を持つ院長が、マンモグラフィ読影認定も取得しておりますため、乳がん検診だけでなく子宮がん検診などの婦人科診療を同時に受診頂くことも出来ます。その場で読影画像の説明や医師への相談も行うことができます。(一次読影の結果をご説明し、二次読影の結果は後日郵送になります。)また、症状がある場合には、医師が診断の結果、保険適用とさせていただく場合もあります。自費診療をご希望の患者様には、さまざまな種類のレディースドックのご用意もしております。詳しくは、当院の公式サイトをご覧ください。