月経前症候群(PMS)・月経困難症
月経前症候群(PMS/PMDD)
生理期の黄体期(排卵後〜月経直前)におこる心身に不快な徴候がPMSです。PMSは月経前3〜10日前後から症状が現れ、月経開始とともに軽減または消えるのが特徴です。
症状は、頭痛、乳房の張り、めまい、下腹部痛、腰痛などのカラダの症状から、イライラ憂うつ、集中力の低下など精神的な不調が現れることもあります。
全女性の約40%は月経前に何らかの症状があり、2〜10%が日常生活に支障を来していると言われています。
PMSの原因は排卵後に増加する黄体ホルモン(プロゲステロン)ではないかと言われています。または精神的ストレス、塩分の過剰摂取などが症状悪化の原因となります。
PMSと比べて症状が重く、特に精神的な不調を強く起こすのがPMDD(月経前不快気分障害)です。PMSに悩む女性の3-5%がPMDDとみられ、強い不安や抑うつ感、怒り、悲しみ、絶望感などが現れます。
身体的症状
- 乳房痛・緊満感
- 腹部膨満感
- 頭痛
- むくみ など
精神的症状
- 不安感
- イライラ
- 抑うつ状態 など
治療
- 生活指導(適度な運動、水分摂取、塩分の制限、サプリメント)
- 低用量ピル
- 漢方薬
- 抗不安薬、抗うつ薬
月経困難症
月経直前または月経開始とともに下腹痛や腰痛、眠気、頭痛などが強く現れ、日常生活に支障を来たし治療を必要とするとき、月経困難症と判断します。
月経困難症の原因は子宮内膜症や子宮筋腫などの病気があるもの(器質性)と原因疾患が明らかでなく血行不良など体質によるもの(機能性)に分かれます。
生理のある方の約30%にみられ、子宮内膜で作られる痛みの物質(プロスタグランジンなど)により子宮収縮するために腹痛が起きたり、全身に作用して頭痛、吐き気、下痢などの症状が引き起こされます。
症状がひどくなった時はガマンしないで早めに治療することをおすすめします。
治療
症状に併せて対処療法を行います。
機能性月経困難症
- NSAIDS (プロスタグランジン合成阻害薬、一般的にロキソニン、ボルタレンなど)
- ブチルスコポラミン(ブスコバン)
- 漢方療法
- 低用量ピル
器質性月経困難症
- 原因疾患の治療