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当院の更年期障害の診断方法

更年期障害の診断

更年期障害には、以下のような症状があらわれます。

  • エストロゲン値の減少
  • 月経異常、のぼせ、ほてり、発汗
  • 倦怠感、抑うつ感、いらいら、不眠
  • 頭痛、目の疲れ、肩こり、腰痛、冷え
  • 関節痛、しびれ、のどのつかえ、尿漏れ
  • めまい、耳鳴り

一般診察や各種検査にて特に異常がみつからない場合、更年期障害である可能性が高いとして血液検査を行います。

当院では、卵胞刺激ホルモンとエストラジオールの値を調べます。卵胞刺激ホルモンとは、卵巣が働いていない時に脳の視床下部のレベルで、卵巣にもう少し働きなさいと命令を送るホルモンです。したがって、卵胞刺激ホルモンが高い値を示す時は更年期もしくは閉経の時期であると考えられます。

また、エストラジオールは卵巣から分泌される女性ホルモンですから、その値が低い場合は更年期もしくは閉経と考えられます。エストロゲンは、40代前後から急激に減少し始めるホルモンで、更年期ではエストラジオールが正常値に満たない人が増えます。そのため、これらの値を調べることによって更年期であるかどうかわかるのです。

当院の更年期障害の治療方法

更年期障害の治療1.カウンセリング

更年期であると診断された場合には、まず本人の環境や生活におけるライフスタイルなどをよくお伺いし、生活改善指導を行います。

更年期障害を治療するときには、まず食生活の改善気を配らなくてはなりません。女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少するとカルシウムが不足しますので、カルシウムを摂取することが大切になってきます。

また、イソフラボンは更年期障害を軽減する作用がありますので、大豆や豆腐などの接種もおすすめします。更年期の手足のむくみの原因のひとつは、塩分のとりすぎであると考えられますので、塩分を含む干物や漬物などを摂りすぎないように注意することが大切です。

更年期障害の治療2.ホルモン補充療法

更年期障害 ホルモン補充療法

次に当院では、ホルモン補充療法をおすすめします。ホルモン補充療法を行う時には、子宮がある人と過去に子宮を摘出して子宮がない方とで使う薬が異なってきます。子宮のある方には、一般的にはエストロゲンの錠剤などを処方します。

しかし、これだけではどんどん子宮内膜が厚くなるため、子宮体癌のリスクが高まってしまいます。それを防ぐために、同時に黄体ホルモン製剤なども併せて処方する必要があります。

これら2種類の薬の成分(エストロゲンの錠剤と黄体ホルモン製剤の両方の成分)が一錠、もしくはパッチ一枚に含まれた配合剤もあります。使いやすいため、当院ではこのパッチを処方することが多いです(患者様のご希望や症状を聞いて、組み合わせを変えます)。

更年期障害薬 エストラーナ

一方、過去に摘出手術を経験されていて子宮がない方には、そもそも子宮体癌のリスクがありませんので、黄体ホルモン製剤を使用する必要がありません。そのため、エストロゲンの錠剤単体もしくはパッチなどを使用します。塗るだけで済む、エストロゲンの塗り薬(ジェル)を処方することもあります。

ジェルは以前は保険が適用できず、非常に高価に感じられるお薬でしたが、保険適用が開始されて身近な薬となりました。

更年期障害の治療3.漢方療法

更年期障害の治療法としての漢方治療

ホルモン補充療法は、心臓や肝臓や腎臓に疾患を持つ人は受けることが出来ません。そのため、ご希望や患者様の症状に併せて漢方薬をおすすめすることもあります。

漢方薬は、自己免疫を高めて身体全体のバランスを整えていきます。効き目が緩やかなので、はっきりした効果を確認しにくい面もありますが、一般の薬物療法に比較すると副作用が少ないというメリットがあります。

漢方薬は沢山種類があるため、様々な効能をバランスよく身体に取り入れることができます。当院では、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸・抑肝散などを処方致します。これらの漢方薬を服用することにより、精神的なイライラ感・ホットフラッシュ・多汗などが改善される方もいらっしゃいます。

更年期障害の治療4.プラセンタ療法

更年期障害治療におけるプラセンタ

当院における更年期障害の治療において、比較的効果が見られるのがプラセンタ療法です。

自己免疫力があがって体調がよくなった方がいらっしゃいますし、プラセンタエキスを取り入れることで、身体を若々しい状態に保っていたりもします。

私が、更年期障害の治療にプラセンタをおすすめする最大の理由は、ホルモン療法などに比べて「副作用が少ないこと」にあります。ホルモン補充療法は、ホルモン製剤ですので人によってはつらい副作用が見られるケースがあります。

それに比べてプラセンタ注射には、重大な副作用がほとんどありません(もちろん注射ですので、注射した部分が赤くなる、注射した腕がだるくなるなどの副作用がごく稀にありますが、私の知る限りでは頻度はごくわずかでいずれもはじめの1~2回で収まります)。

その上、患者さんによっては続けることによって効果が期待できる場合が多く、おすすめしております。当院で利用しているプラセンタプラセンタ注射(メルスモン)は、更年期障害に対する保険適用が厚生労働省から許可されている医薬品です。

更年期の症状が見られた場合には、当院ではプラセンタ注射を保険適用でお受けする場合が多くなっております。患者様の症状やご年齢などによりますので、詳しくは、診察の時に医師までご相談下さい。

  • ※ 保険適用の場合、3割負担で350円のご負担(再診料を含む)になります。
  • ※ 初診時には、初診料が加算されます。(再診料はかかりません)

更年期障害の治療5.その他の治療法

更年期障害は、身体的症状だけでなく神経症状が現れることもあるので、精神安定薬や睡眠導入剤を処方することもあります。

また、精神科でのカウンセリングをおすすめすることもあります。ご希望によっては、古来から行われているツボ刺激をご説明させていただくこともあります。

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT)の投与方法は、大きく分けて3パターンで行っております。閉経後どのくらい経つか、子宮があるか、出血を望むかなどにより投与方法が異なります。以下でその3パターンについて解説します。

ホルモン補充療法1.エストロゲン・黄体ホルモン周期的併用療法

閉経前後の人に向いている方法です。エストロゲンを連日、または1ヶ月のうちに3~4週間投与し、10~14日間だけ黄体ホルモンを併用投与します。定期的に生理様出血を伴います。

ホルモン補充療法2.エストロゲン・黄体ホルモン持続的併用療法

閉経から数年経っている人に向いています。エストロゲンと黄体ホルモンを毎日投与する方法です。

最初の半年ぐらいは予定外の出血を認めることもありますが、薬の投与量を変えることにより徐々になくなってきます。閉経から数年経って、定期的な出血を望まない人に向いています。

ホルモン補充療法3.エストロゲン単独投与法

子宮を摘出された方に行う方法です。エストロゲンのみを連日投与します。

子宮を摘出された方は子宮体がんのリスクがなく黄体ホルモンを使う必要がないので、エストロゲン単独で行うことがあります。

HRTを行っている期間は中は、毎回さまざまな副作用を含めたマイナートラブルを聴収させていただきます。1年に1~2回は血液検査を含めた一般的な検査を行い、HRT継続についてどうされるか検討させていただきます。1年に1回は、内診・子宮がん検診・超音波検査・乳房の超音波検査などを行います。

ホルモン剤の副作用と禁忌

ホルモン剤のエストロゲンは子宮内膜増殖などの作用を持つため、以下のような症状のある方には使用できません。

  • エストロゲン依存症の悪性腫瘍(乳がんや子宮体癌など)
  • 原因不明の不正出血
  • 血栓症
  • 重症肝機能障害
  • 脳卒中既往
  • 妊娠の疑われる方

更年期障害治療に関するよくあるご質問

女性ホルモン剤を使うとがんになる?

子宮がある場合、エストロゲンの単独投与では、エストロゲンの子宮内膜増殖作用により子宮体癌の発症リスクが高まるとされています。したがって、子宮がある人にはプロゲステロンを併用するホルモン補充療法を行います。

また、ホルモン補充療法で乳がんのリスクが増えるという報告は、2002年にアメリカで発表され日本でも騒がれました。しかし、その後2008年の日本人女性を対象とした大規模調査では、ホルモン補充療法は乳がんのリスクを高めず更年期障害に対しての使用はデメリットよりメリットのほうが大きいという結果が示されています。

日本ではまだ女性ホルモン剤はなじみが薄く、抵抗を示される患者様も多いです。しかし、2~3ヶ月ホルモン補充療法をするだけで更年期障害が改善される例が多いですので、積極的に試してみることをおすすめいたします。