当クリニックについて

 
午前
午後

午前9:30-13:00/15:00-19:00
(受付は診療終了の30分前で終了)

☆土曜日の診療は9:00-11:30、
12:00-14:30(11:30-12:00は
休憩)となっております。

休診日:水曜・日曜・祝日

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〒221-0802
横浜市神奈川区六角橋1-6-14
白楽メディカルセンター4階

東急東横線「白楽」駅徒歩1分

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手術後に起こる可能性のあること

当院では出来るだけ痛みのない手術を目指して手術を行なっておりますが、中絶手術の性質上、また麻酔をしっかりとかけるという方針上、以下のような症状や副作用が見られる方がいらっしゃいますので、ご理解下さいますようお願い申し上げます。

(上から順に頻度が高くなり、下に行くにつれて頻度が下がります。)

生理痛くらいの痛み(数日間〜1週間)

中絶手術後は、すぐに子宮が収縮をはじめ、妊娠前の状態に戻ろうとします。これは中絶や流産手術に限らずに出産後も同じです。子宮が本来の姿に戻ろうと回復をしているということですので、回復が早い事は良いことであるのですが、数日間〜1週間の間、生理痛のような痛みが続くことがあります。麻酔覚醒後すぐにこのような症状が見られる方には、痛み止めの点滴を追加させて頂いております。また、帰宅後の痛みには十分な量の痛み止めを処方しており、この痛み止めにより疼痛管理が可能なレベルの痛みとなっておりますので過度な心配は要りません。

生理中のような出血(1週間〜10日間)

出血や悪露が1週間〜10日間程続きます。出血の量や出血のしかたは人それぞれで、生理の2日目程度の出血が続く方、ほとんど出血がない方、様々です。量もほとんど認めずおりもの程度の量の方から、月経程度の量が断続的に続く方、数日たってから急に塊と共に出血する方、最初から多量の出血が2-3日続き、その後少なくなる方など様々です。出血が多めにあることもありますが、数日で少なくなることがほとんどです。おりものに混じるような茶褐色の出血が2週間近く続いてその後微量になり、そのまま月経を迎えることもありますが、出血が少量であるなら心配はありません。

気分が悪い、ふわふわした感じ

麻酔により多少の気持ち悪さやふわふわした感じは、人によっては帰宅後お休みになるまで続くことがあります。翌朝にはおさまっていますので安心して下さい。手術当日の運転は絶対におやめ下さい。またお帰りの際は、足元がふらつくことがあるため、安全のために可能であればお迎えの方にお越し頂くことをおすすめしております。お迎えの時間は、その方の麻酔の醒め方にもよりますが、平日は15時頃〜15時半頃、土曜日は14時頃を目安にお願い致します。

目眩(めまい)や頭痛

これも麻酔が効きやすい方にごく少数ですが見られます。覚醒後30分程度でおさまりますので安心して下さい。目眩(めまい)やふらつきがある間は、危険ですので無理をしてトイレに行こうとしたりなさらないでください。30分程度でおさまりますので、もう少し睡眠を取るようにして下さい。

吐気(むかむかする)嘔吐

むかむかする感じ(吐気)は麻酔が効きやすい方に少数ではありますが見られます。当院では吐気が少ない麻酔薬の組み合わせを行うとともに、手術の全例において手術後すぐに吐気止めの点滴を投与しております。これにより、過去にこの症状が1時間以上も続くような方はおられませんでした。吐気があった方も目醒めてから30分程度でおさまります。目が醒めた後に嘔吐がみられた場合は吐気止めの点滴を追加投与致します。

手術後はお水とお菓子をお渡ししておりますので、体調が良ければ飲食可とさせて頂いておりますが、吐気が見られる場合にはすぐに飲食をすると嘔吐をしてしまう傾向にありますので、30分〜1時間ほど飲食を我慢して頂いた方が良いです。(吐気がある場合は、嘔吐防止のため時間をおいてから飲食をしましょう。)

「逆行性健忘」(ぎゃっこうせいけんぼう)※ごく稀にしかありません

薬が体にはいったあとのことを忘れてしまう、という麻酔の副作用です。手術中に意識が無いのは当然のことなのですが、手術後に目醒めてから30分程度の間、会話はしたような気がするけれど、何を話したか覚えていない、という方や、夢を見ていたような感覚になる方がいらっしゃいます。このようなケースはまれですが、たまにいらっしゃいます。大体、30分程度でおさまりますので、あまり不安に思わずに精神を安らかにして下さい。不安が強すぎたり、必要以上に怖がったりすることも原因のうちの一つです。

人工妊娠中絶の合併症(リスク)

中絶手術が適切な訓練を受けた母体保護法指定医によって行われる場合には、現代医療において下記のような合併症は非常にまれで、危険性はごくわずかです。しかしながら、手術にあたっては、万が一の時にはすぐに適切な処置が行われるよう、合併症についてその可能性をインフォームド・コンセントとして患者様に説明しておく義務があります。尚、当院では開院以来、多数の手術を行なっておりますが、これまでに問題となるような合併症やトラブルが起きた例は一例もありませんので、ご安心下さい。

1) 絨毛遺残

中絶手術は非直視下の手術であるためにベテランの産婦人科医であっても絨毛遺残が起こりやすい手術です。特に子宮奇形や子宮筋腫などで子宮腔内が変形、圧迫されている場合等に起こりやすい傾向にあります。手術前の超音波検査による子宮腔内の適切な評価、手術後の遺残の確認、術後検診の確認等により防ぐことができます。当院では、遺残を防ぐために、掻把法を基本として大きな内容物を取り除いた後に、更に吸引を行うことにより、子宮内に残った細かい内容物を確実に取り除きます。さらに、①手術後すぐ(患者様は意識がない状態)、②帰宅前の診察、③1回目術後検診(翌日か翌々日)、④2回目術後検診(1週間後)、と合計4回の内診を行い、徹底して遺残がないことを確認致しておりますのでご安心下さい。

2) 感染症

中絶が適切に行われた場合、感染症が起こることはごくまれです。ただし、中絶や出産のために子宮頚管が拡張している時は、通常時よりも感染症にかかりやすくなります。特に患者様が、もともとクラミジア等の感染症に感染していた場合には、中絶手術により骨盤腹膜炎等を併発する可能性があります。そのため、当院では手術前に血液検査だけでなくおりもの検査までをも必ず行い、クラミジア陽性の場合には抗菌剤を手術前に処方致しております。感染症の一般的な症状としては、発熱、子宮の圧痛、白血球の急激な上昇が見られます。万一感染症と診断またはその疑いがあると診断した場合には、すみやかに抗生物質の投与を行う用意もあります。

3) 子宮頚管損傷

子宮頚管損傷は急激な子宮頚管拡張や訓練の浅い医師の鉗子類の乱雑な扱いにより起こりえる合併症の一つです。子宮頚管損傷は、手術後は症状がなくても次の妊娠で子宮頚管無力症となって出現する可能性もある合併症であるため、細心の注意が必要な合併症です。

そのため、日本産婦人科医会やWHOからは術前処置が推奨されています(※)当院では、手術日当日の朝から3ミリ程のスポンジ状のもの(ラミセル1本)で手術前の2〜3時間のみ術前処置をしております。ラミセルは徐々に水分を吸収することにより自然に頚管拡張を行います。痛みが少ないように配慮しており、痛みを感じない方もいますし、感じた場合も生理痛程度の痛みですので過度な心配は不要ですが、ご希望の方は事前に痛み止めを入れますので医師までお申し出下さい。

※ 公益社団法人日本産婦人科医会 「指定医必携」平成26年度改訂
※ Safe abortion: technical and policy guidance for health systems, Second edition/WHO

4) 子宮穿孔(ほとんど起こることはありません!!)

子宮壁に穴があいてしまう合併症です。中絶手術は非直視下の手術ではありますが、訓練を受けた医師であれば3次元的に子宮をイメージして、子宮底部の壁にあたる間隔を確認し、方向を間違わずに施行することが出来るのでほとんど起こる事はありえません!!なお、掻把法と吸引法の違いとして掻把法の方が子宮穿孔のリスクが高いというようなことが言われますが、吸引法も吸引器の先に細い金属の棒のようなものをつけて吸引するためにそのリスクはほとんど変わりありません。吸引法では吸引管の内径よりも大きな組織を吸引出来ないために、遺残が起こりやすく、どちらが良いよいということはありません。その医師が長く訓練を受けて来た方法で手術を行うことが一番安全な方法といえます。

5) 大量出血(ほとんど起こることはありません!!)

大量出血は子宮頚管の損傷、血液凝固障害、子宮穿孔(ほとんど起こる事はありえません!!)によって起こります。出血が腹腔鏡手術や開腹手術等が必要なほど重篤なことはごくまれで、ほとんど起こることがありません。

6)最後に・・・・

手術にあたっては、万が一の時にでもすぐに適切な処置が行われるよう、合併症についてその可能性をインフォームド・コンセントとして患者様に説明する義務があり説明をさせて頂いておりますが、当院では開院以来、これまでに問題となるような合併症やトラブルが起きた例は一例もありませんので、ご安心下さい。過度な不安で手術にのぞまれることは、精神的な不安から逆行性健忘のような副作用が出てしまったりと術後の回復のさまたげとなることがあります。過度にご自分を責めたり不安になったりせずに、まずはご自身の回復を第一に考えて下さい。