当クリニックについて

 
午前
午後

午前9:30-13:00/15:00-19:00
(受付は診療終了の30分前で終了)

☆土曜日の診療は9:00-11:30、
12:00-14:30(11:30-12:00は
休憩)となっております。

休診日:水曜・日曜・祝日

詳細はこちら

〒221-0802
横浜市神奈川区六角橋1-6-14
白楽メディカルセンター4階

東急東横線「白楽」駅徒歩1分

詳細はこちら
フェイスブック

母体保護法と同意書

同意書について患者様に説明するときに、避けて通れないのが「母体保護法」についてです。なぜならば日本では原則として刑法で堕胎が禁じられている一方で、「母体保護法」で母体保護法指定医による中絶手術のみが認められており、その「母体保護法」にて同意書の提出が義務付けられているからです。

日本の「母体保護法」は、戦前に制定された「国民優生法(断種法)」に沿革を有する「優生保護法」の流れを汲むもので、「優生保護法」が改正されないまま残った部分があります。その内容について説明をさせて頂くことが、患者様に同意書について理解頂くことにつながるかと思います。(この文章は、患者様に「母体保護法」における同意書をご理解いただくことを目的としており、「母体保護法」に対しての否定的な意見を述べることが目的ではありません。)

まず「母体保護法」には、「人工妊娠中絶手術が一定の条件に合致するかどうか、医師が判断して許可する」という古い条文がそのまま残っています。現代医療においては、インフォームド・コンセントの重要性が認められるようになってきていています。中絶手術も当然、女性の身体に対する医療の一つですから、インフォームドコンセントの観点からは、産むか産まないかは女性が選択するべきという認識になるのですが、母体保護法では「医師によって国の認定基準に照らし合わせて判断され許可される」と定められています。とはいっても、現在では法律で定める週数を超えているなどの問題がない限り、母体保護法指定医が手術を許可しないケースは稀ですので、この条文そのものが直接問題となるケースはほとんどないものと思われます。

同意書において患者様にご理解頂きたいのは、上記に加えて「人工妊娠中絶手術に配偶者とパートナーの同意を必要とする」という条文が「母体保護法」に残っているという点です。妊娠も中絶も女性の身体に大きな影響を与える出来事ですが、現在の法律では配偶者やパートナーの同意を必要としています。そのため我々、母体保護法指定医は、「配偶者やパートナーの同意がない場合」には「国の認定基準に照らし合わせて」中絶手術を許可することが出来ないのです。

妊娠・出産・中絶については、女性とパートナーがよく話し合い、双方が納得いくまで協議しながら意思決定をしていくことが望ましいことであるのは当然のことです。しかしながら、現実の医療現場においては、話し合いが残念ながら上手くいかない場合も想定しておくべきで、その場合には週数が大きくなると中絶手術が女性の心身ともに負担になるという点から、最終的な決定権は女性にあるべきではないかと個人的には思います。

しかしながら我々、母体保護法指定医はあくまでも「母体保護法」の枠組みで手術を許可されているのであって、「母体保護法」の遵守を当然のこととして義務付けられております。法律の枠組みと、実際の女性の苦悩との間で、当院では下記のように考えて個別のケースについてご相談をお受けしながら、同意書のご提出をお願いしております。同意書でお悩みの方は個別のケースでご相談に応じますのでご遠慮なく医師までご相談下さい。

パートナーのサインがもらえない

パートナーのサインがもらえません!!絶対に必要でしょうか?このような相談を受けることがあります。妊娠と判明した途端に音信不通になってしまった、相手が自分の子であることを認めてくれない、相手が外国に行ってしまった、相手が死亡した、性的暴力(レイプ)を受けた等の場合には、女性の意思だけで手術を受ける事ができます。

ただし、パートナーが中絶に同意せず反対している場合、手術は出来ません。
(が、最終的な決定権は女性にあります。)

個別にご相談にのりますので、診察時に医師までご相談下さい。

(既婚者の方で)子の父親が夫ではない場合

母体保護法でパートナー(既婚者は配偶者)の同意がないと中絶することは出来ないと定められています。
原則的には医師が結婚されている事を伺った場合には、配偶者のサインが必要です。

ただし、母体保護法に規定する「配偶者」とは次の場合を示します。

  1. 民法上に記す届出によって成立している婚姻関係にあるもの
  2. 届出はしていないが実質的に夫婦と同様の関係にあるもの

婚姻関係がなくても、事実婚の方は(2)にあたりますので、パートナーの同意書で中絶可能です。また妊娠する関係にあるカップルは夫婦と同じではありませんが、(2)に該当するとして子の父であるパートナーの同意書で手術が可能と判断することもございます。お困りの場合は悩まずに医師まで個別にご相談下さい。

同意書のパートナー(配偶者)の署名捺印について

当院では同意書の配偶者欄に配偶者の方の署名捺印がなされていれば、患者様を信頼して「配偶者やパートナーの同意」があったものとして手術を行なっております。

守秘義務とプライバシー遵守

当院では、患者様の通院の有無、診察内容、手術内容などの個人情報に関しては、一切、他の方にお伝えることはありません。お問い合わせが、たとえ手術同意書にお名前の記された配偶者やパートナーの方からであったとしても、本人の同意を得ずに通院の有無をはじめとして、診療内容を開示することは一切ございません。
この件を含めた配偶者やパートナー、その他お知り合いの方からの患者様本人の通院状況に関する問い合わせへの対応については、「守秘義務とプライバシー遵守」にて詳しく説明しております。