9価の子宮頸がんワクチン(シルガード9)が公費助成の対象となりました

これまで、定期接種として公費で受けられる子宮頸がん(HPV)ワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)だけでありましたが、新たに9価ワクチン(シルガード9)が令和5(2023)年4月より公費助成の対象(無料)となりましたので、お知らせいたします。

さらに、平成9年度~平成18年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性で、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した26歳までの女性も、公費(無料)でシルガード9を受けられるようになりました。(キャッチアップ接種)

子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんです。日本では毎年、約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。
また、若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんで、日本では、25~40歳の女性のがんによる死亡の第2位は、子宮頸がんによるものです。
子宮頸がんはワクチンで防ぐことができる数少ない癌です。対象年齢の方はワクチンを接種しましょう。


◆当院での公費助成(無料)接種の対象となる方

【公費助成(無料)の対象となる方】:小学校6年 ~ 高校1年 の横浜市民の女子

【キャッチアップ接種の対象となる方】:以下の2つを満たす横浜市民の26歳までの女性も公費(無料)で接種することができます。(令和7年3月末まで実施中の救済措置)
(1)  平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)
(2)  過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方

※令和5年4月からは、平成19年度生まれ(誕生日が2007年4月2日~2008年4月1日)の方も、通常の接種対象の年齢(小学校6年から高校1年相当)を超えても、令和7(2025)年3月末まで接種できます。

◆自費診療の場合:1回につき25,000円/回(税別)

◆ご予約・ご来院について

在庫確保のために必ずこちらのページから事前にインターネットで予約して下さい。
〇接種前の説明、接種後の安静と合わせて1時間くらいの時間が必要になりますので、時間の余裕をもっていらして下さい。
〇未成年者の方は保護者の方の同伴が必須です。

※保冷ワクチンのためメーカーへの返品ができないので、ご予約後のキャンセルはご遠慮下さい。

◆ご予約のスケジュールについて

シルガード9で接種を開始する方は、1回目の接種を受けるときの年齢によって接種のスケジュールが異なります。

(1) 1回目の接種を受けるときの年齢が小学校6年生の年度から15歳の誕生日の前日までに受けた方
【接種回数】:2回で接種を完了することができます
【接種間隔】:1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。1回目と2回目の接種の間隔が5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。また、1年以内に接種を終えることが望ましいとされています。

(2) 1回目の接種を受けるときの年齢が15歳以上の方
【接種回数】:3回の接種が必要となります
【接種間隔】:2回目と3回目の接種はそれぞれ1回目の2か月後と6か月後で、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされています。2回目と3回目の接種をそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あけます。

★新型コロナウイルス感染症のワクチンとは前後2週間あける必要があります。
その他のワクチン接種の場合は特に制限はありません。

◆お持ち物:お忘れなくご持参下さい

(1)  公費での接種ご希望の方は、横浜市から【接種予診票】が届く予定となっておりますので(令和5年6月頃を予定)送付された予診票をお忘れなくご持参下さい。なお、予診票が届くまでに早めの接種を希望する場合は、現行の予診票(お手持ちの2価・4価ワクチン用)でも接種することができますので、そちらをご持参下さい。お忘れになると接種頂くことができません。
(2) 【母子手帳】をお持ちの方は、接種済みシールを貼り押印を致しますので、お忘れなくご持参下さい。万が一、お忘れの場合には予診票の控えにて代えさせて頂きますのでご了承下さい。
(3 )院内の混雑緩和のため、予診票は出来る限りご記入の上でご持参下さいますようお願い申し上げます。(ご不明な点等は未記入でご来院の上、受付スタッフまたは看護師までお尋ね下さい。)
(4) これまで必須となっていたワクチンQダイヤリーへの登録は不要となりました。

◆ よくある質問 

Q:サーバリックスまたはガーダシルを1回または2回接種している場合、2回目または3回目に9価ワクチン(シルガード9)は接種できないのですか?

A:原則として同じ種類のワクチンを接種することをお勧めしますが、医師と相談のうえ、途中からシルガード9に変更し、残りの接種を完了させることができます。この場合も定期接種(公費助成)の対象となります。また、キャッチアップ接種の対象の方も、途中からシルガード9に変更し、残りの接種を完了させることができます。しかしながら、異なる種類のワクチンを接種した場合の効果と安全性についてのデータはまだ限られていますなお、サーバリックスまたはガーダシルで接種を開始し、定期接種としてシルガード9で接種を完了させる場合は、シルガード9の接種方法にあわせ、1回目と2回目の間隔を1か月以上、2回目と3回目の間隔を3か月以上あけて接種します。

Q:年齢によってシルガード9の接種回数が異なるのはなぜですか?

A:シルガード9を合計2回の接種で完了する用法については、9~14歳の女性を対象に臨床試験が行われ、効果と安全性が確認されたうえで薬事承認がなされており、シルガード9を2回接種した9~14歳の方における効果は、3回接種した方と比べて、劣ってはいないことが報告されています。また、米国やカナダ、オーストラリアなどの諸外国では、原則、15歳になるまでに1回目の接種を終えていれば、2回で接種完了としています。

◆HPVワクチン接種後のご注意

・注射針を刺した直後から、強い痛みやしびれを感じた場合はすぐに医師にお伝えください。
・痛みや緊張等によって接種直後に一時的に失神や立ちくらみ等が生じることがあります。接種後30分程度は安静にしてください。
・接種を受けた日は、はげしい運動は控えましょう。
・HPVワクチンは、合計2回または3回接種しますが、接種した際に気になる症状が現れた場合は、それ以降の接種をやめることができます。

◆副反応

国内試験(MSD(株)HPより引用)
 注射部位の副反応は、本剤接種後5日間に100例中95例(95.0%)に認められ、主なものは疼痛93例(93.0%)、腫脹42例(42.0%)、紅斑33例(33.0%)、そう痒感4例(4.0%)、出血3例(3.0%)、熱感3例(3.0%)でした。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間に100例中14例(14.0%)に認められ、主なものは発熱3例(3.0%)、頭痛2例(2.0%)、悪心2例(2.0%)、感覚鈍麻2例(2.0%)、腹痛2例(2.0%)でした(承認時)。

 

◆ご予約はこちらのページからインターネットでお願い致します。

◆子宮頸がんワクチン(シルガード)についての詳しい内容はこちらのページをご覧下さい。

 

投稿日:2023年4月18日|カテゴリ:お知らせ, 新着記事