「タウンニュース医療相談室」に院長 的野博が取材協力した記事が掲載されています。

「タウンニュース医療相談室」に当院の院長 的野 博が取材協力した記事が掲載されています。
是非、ご一読いただければ幸いです。

無痛分娩について

最近、無痛分娩の事故の報道が増えたことで、否定的、反対的な意見や改善を求める声が多くなっています。私は麻酔科医としての経験により無痛(和痛)分娩に対しては肯定的です。母親が極端に痛みに弱く、痛みへの恐怖で精神的な不安が強すぎる時は麻酔の力を借りて心配や痛みを和らげ、お産をスムーズにすることも一つの手段です。
日本で無痛分娩の普及を防げる原因としては、欧米とくらべて分娩費用が高いことや無痛分娩を扱う施設がまだ少なく麻酔科医の数が少ないことです。自然分娩を希望していたとしても、何かしらの原因で陣痛促進剤を使用しなければならない時や帝王切開になってしまうケースもあります。適度な濃度・量の薬を使用すれば、無痛分娩によって帝王切開の頻度が高まることはありません。鉗子・吸引などの器機分娩の頻度が高まる可能性はありますが、胎児に影響を与えることはほとんどありません。
どんな出産でも安全性を過信せずに無痛分娩の実績と経験のある医師がいて、緊急時の対応ができる施設を選ぶことが重要です。様々な意見はあると思いますが、無痛分娩だから危険が増加するイメージはなくなることを願っています。
「無痛分娩ついて」PDFはこちら

子宮頸がんについて

子宮頸がんの原因であるヒューマンパピローマウィルス(HPV)とはどんなウィルスですか?
性的な接触で感染するウィルスの一つで、100種類くらいあるHPVが発見されています。約30種類が女性性器で病気を引き起こすとされ、日本人の子宮頸がんの約60%はHPV16、18型が原因です。
子宮頸がんの予防について教えて下さい。
HPVワクチンを接種しておくことにより、子宮頸がん全体の約60〜70%は予防できます。がんになる前に細胞の異常が発見されれば、治療により子宮摘出を防ぐ事もできます。重要なのは10代前半のうちにワクチンを接種し、がんになる率を減らすことです。ワクチン接種の有無にかかわらず、20歳を超えたら定期的に子宮がん検診をうける事をお勧めします。現在、日本人女性の約24%しか子宮がん検診を受けていません。早期発見、早期治療で大切な命を守りましょう。
価格はどうでしょう?
接種は計3回で約5万円。中学校1年生〜高校1年生の女子は全額公費負担です。加えて、現時点では、平成22年度に高校1年生であった公費対象者で、接種差し控えにより1回目の接種ができなかった現在高校 2年生の方にも、初回無料で接種しております。

2011年7月14日号「子宮頸がんについて」PDFはこちら

カンジダ膣炎について

梅雨時期やむし暑い季節によくある、かゆみやおりものの異常は何ですか?
その多くが膣カンジダ症です。カンジダ菌は、もともとは膣内に少量常在しているカビ(真菌)の一種です。普段は病床性が弱いのですが、体の抵抗力が弱まった時(疲労、抗生物質内服時、妊娠中、ステロイド服用など)や、高温で高湿な環境 (パンストや密着した下着・ ジーンズ着用時)に膣内の菌の活動が活発化します。典型的な症状として、黄白色のクリーム状の酒かす様 ・カッテージチーズ様のおりものが増え、外陰部に痛みを伴ったかゆみが現れ、時には赤く腫れることがあるます。極度に膣内洗浄や石鹸洗浄を行うと症状が悪化することがあります。(カビがいるからと神経質になる方がいらっしゃいます)。性交渉によって感染する事はありますが、お風呂で感染する事はありません。
治療法はありますか?
抗臭菌剤のクリーム、膣坐剤を使用します(ステロイド剤は炎症症状が強い時のみに短期的に使用する事があります)。なかなか治りにくく再発をくり返す時は、他の原因菌を検査したり、特に持病に糖尿病がないか検査をします。市販の薬剤で治る事もありますが、症状が改善しない場合は医師に相談してください。

2012年7月12日号「カンジダ膣炎について」PDFはこちら

先天性風疹症候群について

先天性風疹症候群(CRS)とはどんな病気ですか?
風疹ウイルスに免疫がない、あるいは免疫不十分な妊娠20週後までの妊婦さんが風疹にかかる事により、胎児に感染し、子どもに様々な奇形を生じる先天異常症です。昨年夏頃から始まった風疹の流行が、今年に入ってから主に首都圏と阪神地域で急拡大しています。週別報告数はようやくピークを迎えたが、まだ終息に向かったとは言えない状況です。症状として、低出生体重児の他、眼球異常(白内障、緑内障など)、難聴、心奇形、精神発達遅延、脳性麻痺など永久的に障害を残す物と、紫斑病、肝脾腫、貧血、肺炎など生後に一過性に認められるものがあります。
CRSの治療は各々の症状に対して行う事となりますが、何よりも大切な予防は、幼児期に母体が風疹ワクチンの接種を受け、ウイルスに対する免疫を作っておく事です。横浜市でも、緊急風疹対策として、19歳以上の横浜市民で
①妊娠を予定している女性(妊娠中は接種不可)
②妊娠している女性の夫(子どもの父親) に対し、麻しん、風疹混合 ワクチン1回分の接種費用助成(自己負担3000円) を行っております。市内の 協力医療機関については、市の健康福祉局健康安全課のHPで検索して下さい。

2013年7月3日号「先天性風疹症候群について」PDFはこちら

子宮筋腫について

子宮筋腫とはどんな病気ですか?
子宮筋腫とは、子宮を構成する平滑筋という筋肉由来の良性の腫瘍で、よくある病気ですのでそれほど心配することはありませんが、月経がある間(女性ホルモンが分泌されているうち)は、大きくなる可能性があります。ほとんどの方は無症状のことが多いですが、月経痛、月経過多、貧血の症状が大きくなると腹部から腫瘍が触れるようになったり、頻尿や腰痛を起こすこともあり、不妊症、流産、早産の原因になることもあります。
【対処法】子宮筋腫があるイコール治療の対象になるとは限りませんが、無症状や症状の軽い場合は、定期検診で経過を見ることが多いですが、症状が強く、日常生活に支障があるような場合は治療をする必要があり、加えて子宮体がんの検査をすることがあります。治療法は症状の程度、大きさまたは妊娠出産の希望の有無により選択します。
手術術療法には、子宮と筋腫を摘出する子宮全摘術及びを温存する筋腫核出術があります。また、薬物療法のほか、特殊治療として筋腫塞栓療法や収束超音波治療法などがあります。子宮がん検診の際、筋腫も卵巣の腫瘍のチェックを含め超音波検査をすることをお勧めします。

2014年7月10日号「子宮筋腫について」PDFはこちら

「ピル」について

ピルとは何ですか?
ピルとは経口避妊薬のことです。日本のピル普及率はようやく3%を超えたばかりで、先進諸国の中でこれほど低用量ピル普及率の低い国はありません。コンドームによる避妊の場合は約3~15%の失敗率があり、より確実な避妊のためにはピルの服用がおすすめです。
ピルには避妊のほかに、月経痛や子宮内膜症の症状改善、貧血予防、卵巣ガン、子宮体ガンの発症率低下などの副効用があり、現在は服用者の6割が避妊目的以外のユーザーといわれています。試験や旅行にあたらないよう服用するピルもあり、当院ではジェネリックや超低用量を含めた様々な種類の中から患者様の用途、要望に応じた処方をさせていただきます。また、アフターピル(緊急避妊法 )という、避妊に失敗した後、72時間以内に服用することで望まぬ妊娠を防ぐ方法もあります。
ピルには頭痛やむかつき、不正出血、血栓症などの副作用がありますが、当院では服用禁忌に該当しないかどうかを確認し、血液検査や血圧を確認しながら処方しています。より多くの女性がピルによって充実した QOL(クォリティー・オブ・ライフ)を送っていただけるよう、地道な啓蒙活動を続けたいと思います。

2015年7月16日号「ピルについて」PDFはこちら

乳がん検診について

乳がん検診について
日本人女性の乳がんに かかる率は、12人に1人と増加。年間4・5万人にも及び、女性で最も多いがんとなり、40歳以上でかかる危険性が高くなっています。ゆえに40歳を過ぎたら自覚症状がない方でも、2年に1回は乳がん検診を受けることが勧められています。また、遺伝性乳がん(BRCA1、2遺伝子保有)家系の方は、40歳になる前に検診を受けることも勧められています。
自覚症状(乳房のしこり、乳首からの分泌物、乳房の痛み、熱感など)がある場合は、年齢に関係なく早めに医療機関の受診をお勧めします。家族に乳がんの方がいない、リスクがないから大丈夫ではありません。乳がん検診は主に乳房視触診とマンモグラフィーの結果に基づき(超音波を行うこともある)、医師が乳がんの疑いありと判断した場合、乳がん専門医により診断が進められ、上記の検査に加え、乳房のMRIなど の画像検査を行い、診断確定のために細胞診、組織診を行います。検査で異常を指摘されず自覚症状がない方も定期的に自己検診を実施し、医療機関を受診する ことが推奨されています。
当院でも今年9月よりマンモグラフィー、乳房超音波を含めた乳房検診をスタートする予定です。

2016年7月14日号「乳がん検診について」PDFはこちら

投稿日:2017年8月23日|カテゴリ:お知らせ